2025年参議院比例区投票結果 「右派」ポピュリズムの躍進
2009年の民主党政権交代からの衆議院と参議院の比例区の推移表をまとめた。この表を良く見てほしい。
今回の投票率を「+5%」(約500万票。日本の有権者は約1億人)上乗せした多くは普段投票していない人が今回、投票したのであろう。投票する人の多くは毎回投票しており、この層はおよそ50%にあたる。今回、普段投票していない人々は、今回は参政党や保守党、国民民主党に投票したと考えられる。
次にみる参政党や保守党、国民民主党の増加数の数字にほぼ一致する。
昨年の衆議院比例区の投票数と比較すると、国民民主党は145万増。参政党は555万急増。保守党は180万増。3党で合計880万票も増加している。
他方、自民党は2014年衆議院比例より178万減。公明党も75万減。維新も73万減。これら中道保守の減数合計は326万。また、リベラルの立民党の票の減少が415万も減少している。リベラルな立民党の支持者の投票先としては、国民民主党や参政党が想定されよう。
今回、保守的な志向を持つが、自民党に嫌気をさした保守層のうち、穏健保守派は受け皿として安心できる中道保守の国民民主党(+145万で722万獲得)に投票したのだろう。
そして、「安部派・岩盤保守派」(右翼)は、保守リベラルの石破を嫌って、参政党(+555万で742万獲得)や保守党(+180万で298万獲得)に投票した。これに加えて、今回投票所に足を運んだ人々(約500万人)が主に参政党や保守党、国民民主党に投票した。こういう流れがはっきり見える。
共産党は「自公が過半数割れで良かった」などと脳天気なことを言っているが、間違っている。事態は、より深刻で右翼の参政党や保守党が激増し、自民党との連立を志向する国民民主党(憲法改正派)が急増した。日本の右バネが発動したものと見るべきであろう。
参政党が742万と急増したが、2012年の衆院では「維新」が1226万も獲得したことがある。しかし、その後はボロが出て、維新は今回437万にとどまっている。参政党も同様の道をたどるかもしれず、今、過大評価するのは早計であろう。ただ、今後、ドイツのAfdのように政界に第二勢力として定着する危険性はある。
問題の一つは、立民党が前回の衆院選挙の比例1156万から今回参院比例739万と417万も減少していることだ。おそらく国民や参政党に流れたのかもしれない。ただし、過去の参院選、衆院選の比例区を見ると、立民党は不思議なことに参院比例区はあまり票が出ていない。なぜだろう? 2022年の参院比例は677万だから、今回はそれよりも増えてはいる。
問題のニは、「れいわ」が388万を獲得しているが、8万しか増加していないのが意外である。ポピュリズム的傾向があり、清心なイメージが売りなのでもっと延びると思ったが。
問題の三は、共産党が何と286万と50万も減少したことだ。坂を転がりおちるような凋落ぶりだ。今後は、社民党と同様に政党要件を維持できるかどうかというレベルにおちいるだろう。
総括すると、リベラル左派と左翼が凋落傾向にあり、また自公が退潮し、中道右派の国民民主党が地歩を固めた。そして、参政党と保守党の右翼が急増したというのが今回の結果である。
リベラル左派である立民党は、もっと若手を登用して清新さを出してほしい。共産党は党首公選制を導入するなどして透明性を増して、若手を委員長や書記長に抜擢し、若者に好かれるようにしないと、消えゆく運命であろう。「れいわ」は山本太郎の個人商店だが、今回、伊勢崎さんが当選したので、これからを期待する。
これからは、自民党は伝統保守、国民民主党と維新は中道右派(自公との連携予備軍)、中道リベラルの立民党、躍進した保守党と参政党はネオ右翼、少数左派の共産党という配置になろう。
政局の中心は、自民党と国民民主ないし維新との連携がどう展開するかだろう。波乱要因として、参政党が今後、ネオ右翼として定着するかどううか。
ただ、自民党が岩盤保守(旧安部)やネオ右翼の票欲しさに、さらに右翼的になるのか、中道保守の国民民主や維新との連携をするめるのか。この間の石破おろしは、この政治対立が背景にあるのだろう。今後、参政党のパフォーマンスがこの綱引きに影響を与えることになろう。


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