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2022年11月26日 (土)

都労委 Uber EATSの配達員の労組法上の労働者性を肯定

Uber EATSの配達員が結成した労働組合について、東京都労働委員会が労働組合法上の労働者であるということを認めた命令が出ました。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/2dbc1f3dbde0b758bceccc913b99d5e6060f2d61

 

日本の労働法では、労働基準法上の労働者と、労働組合法上の労働者と二つの判断基準があるのが特徴です。

 

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労働委員会は労働組合法上の労働者を認めた。これは、これまでの最高裁判例の判断基準でいけば、Uber EATS の配達員が労組法上の労働者であるのは当たり前のはずです。

 

しかし、Uber EATS(会社)が自分はシェア事業者だとして次のような主張をしていました。

 

 

「シェアリングエコノミーにおいて、実際にサービスを提供する主体は、シェア事業者ではなく、個人又は当該サービス提供を本業としていない法人である。」「ウーバーイーツは、マッチングプラットフォームを提供する典型的なシェア事業者である」

 

「シェア事業者の役割は、個人間の取引の「場」を提供することであり、サービス提供の主体ではないし、ましてや配送事業を行っているわけではない。」

 

要するに、配達という労務を受領しているのはレストランなどのお店や利用者である個人であって、ウーバーイーツは、その間をとりもつマッチングプロットフォームという場をIT技術で提供しているだけだと主張しているわけです。

 

これに対して、東京都労働委員会は、次のように判断をしました。

 

「形式上、シェア事業者をうたっていても、実態として運送業の役務の提供主体であり、その事業のために配達パートナーの労務を利用していると評価されるのであれば、労組法の適用対象となり得る。」

 

「ウーバーイーツ事業におけるプラットフォームにおいては、労働力が取引されているのであるから、純然たる労働市場というべきであり、労働力の交換条件を決定しているウーバー等のプラットフォーマーには集団的労使関係上の責任が当然に認められる。」

 

そして、次の要素を検討して肯定し、労組法上の労働者性を認めました。これは世界的に見ても、EUやUSAの一部の州でも肯定されている判断です。

 

「事業組織への組入れ」

「契約内容の一方的・定型的決定」

「報酬の労務対価性」

「業務の依頼に応ずべき関係」

「広い意味での指揮監督下の労務提供」

「顕著な事業者性」の欠如

以上の要素を肯定するのに、アカウントの停止や配送料の取消、GPS等での監視の事情を重視しています。

 

この判断基準でいけば、Amazonや楽天などのプラットフォーマーの宅配便についても、軽貨物のドライバーの労働組合との関係でも同様のこ とが言えます。

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宅配便の場合には、Amazonや楽天と配達ドライバーの間に、下請の運送業者が介在していることが多いのですが、その下請運送業者も取引条件はAmazonや楽天などのプラットフォーマー事業者に一方的・定型的に決定されています。

 

ですので、プラットフォーマー事業者が一方的・定型的に決定され、事業組織に組入れられており、プラットフォーマー事業者からGPS等での監視や取引停止の不利益を被る関係にあるから、Uber EATSの配達員と同様です。

 

 

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