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2014年9月12日 (金)

「吉田調書」要旨を読んで感じたこと

今朝の東京新聞で福島第一原子力発電所前所長の亡き吉田氏の調書の要旨版を読みました。

朝日新聞の撤退報道の誤報・謝罪が注目されているが、吉田調書の重大な点は、撤退のことではないと思う。朝日新聞の「誤報」にフォーカスするのは「木を見て森をみない」ことになると感じる。朝日の「誤報」は誤報として問題なのだが、これについては、別途感想を書きたい。

吉田調書の要旨をざっと読んで気になった点(電車の中で読んだだけなので、誤解があるかもしれないが)

・緊急冷却装置ICが作動していないのに作動したと誤認したこと
・その訓練やベントの訓練もしていなかったこと。
・ディーゼル緊急発電機が動かないことを想定していなかったこと
・格納容器の爆発を心配しながら原子炉建屋に水素がたまり水素爆発をすることは全く気がついていなかったこと。
・13メートル級の津波の危険性があることを社内報告を受けて社長にも報告していたのにあり得ないと考え、費用も高額になることから対策をとらなかったこと・
・これを後から批判するのは単なる結果論と反発していること。

もちろん吉田所長が個人で全て対応できることではない。東電の組織的・構造的な重大な過失がもたらした結果だ。

ただ、亡き吉田所長らが現場で必死に頑張ったことや同人が亡くなったということで、吉田所長や現場で働いた人たちを「英雄視」をしてしまってはマズイのではないか。朝日の誤報問題でも、そのような感情が非難する人たちの心情がひそんでいるような気がする。


現場担当者を含めて東電の組織的かつ構造的な落ち度に対する批判を忘れてしまっては、本末転倒だと思う。


先の大戦で「神風特攻隊」の若者の献身と勇気を讃えて、この「外道」な戦術を立案し実行した海軍・陸軍の中枢への批判を控えることと同じ過ちをおかしているように思う。

客観的な事実や結果を尊重せず、行為者の誠意とか熱意とかの「心情」を重視する「日本人的心性」が問題のように思う。


発表された吉田調書全体を良く読み、また国会などの事故調査委員会の報告書と対比してみたい。

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