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2014年5月21日 (水)

大飯原発差し止め判決 福井地裁

■大飯原発 差し止め判決

2014年5月21日、福井地裁の画期的な大飯原発差し止め判決です。

全文がこちらで読めます。

http://www.cnic.jp/5851

この福井地裁判決はシンプルな判断です。判決文38ページから裁判所の判断部分です。印象に残る判断部分は次のとおり。

■人格権が最高の価値

「生存を基礎とする人格権が公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である」

■「原子力発電所に求められるべき安全性」

「安全性、信頼性は極めて高度なものでなければならず、万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置がとられなければならない」

「具体的危険性が万が一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然である。」

そして、具体的危険性があるかどうかを判断していきます。

■「冷却機能の維持について」

「大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。」

「基準値振動の信頼性について」は、「全国で20箇所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後10年足らずの間に到来している」

「地震大国日本において、基準値振動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準値振動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる。」

■「閉じ込めるという構想について(使用済み核燃料の危険性)」

「使用済み核燃料も原子炉格納容器の中の炉心部分と同様に外部からの不測の事態に対して堅固な施設によって防御を固められてからこそ初めて万全な措置をとられているということができる。」

「国民の安全が何よりも優先されるべきえあるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるをえない。」

■最後にもっとも印象的な判決文 「国富論」についての記述です。

「被告は本件原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的に許されないと考えている。」(人格権はあらゆる法分野で最高の価値を持つとして優先されるべきであるから)

「コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民を根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。」

 福井地裁の裁判長をはじめとした3人の裁判官に敬意を表したいと思います。

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コメント

びっくりしました。「絶望の~」を読んでいたので、自身の出世を顧慮することなくこのようにズバリとおやりになる裁判官がおられたとは。(伊達裁判官、「国破れて三部あり」の裁判官以来でしょうか。)最高裁まで行くのでしょうが、もういい加減まやかし判決で済む時代ではなくなっていることに気がついてほしいです、最高裁長官殿。

投稿: nonmaip-tak | 2014年5月23日 (金) 07時59分

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