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2014年4月 6日 (日)

「原発再稼動」の政府方針に思う

■エネルギー基本計画

 政府は、石油や天然ガスの輸入によるコストアップという経済的な必要性を強調して原発再稼動を推進しようとしています。エネルギー基本計画が近々閣議決定されるそうです。安全神話への反省のない基本計画ですね。

http://newclassic.jp/archives/11438

 原発再稼動には、「厳格な安全性審査に合格した上で」との枕詞がつけられていますが、その「厳格な安全審査」がまったく信用できません。

 福島第1原発事故は「想定外」の大津波という極めて例外的な事故であり、今後は原発が再稼動しても事故は発生しないという「最善のシナリオ」に依存しているとしか感じられません。「最悪のシナリオ」を想定していないようです。

■「最悪のシナリオ」の巨大火山噴火は想定外?

 例えば、再稼動の「有力候補」である川内原発や玄海原発は、九州にあります。阿蘇山の巨大噴火が発生した場合、火砕流が原発に到達する危険性があります。「超巨大噴火なんて、およそ発生しない。想定するのがおかしい」なんて言えないでしょう。
 2011年3月11日の東日本大震災のM9.0の超巨大地震と大津波は、それまでは、まさに「想定外」だったのですから。

 阿蘇山の巨大噴火はけっして「想定外」なんかではありません。阿蘇山の巨大噴火が起こることを想定して原発の安全対策を審査すべきでしょう。

日本にあるいくつかの原発では、起こりえる場面だ。その原発とは、泊原発(北海道)、伊方原発(愛媛)、玄海原発(佐賀)、川内原発(鹿児島)の4つ。

東京大学地震研究所火山噴火予知研究センターの中田節也教授がこう警告する。「4つとも、過去に超巨大噴火の影響を受けたと考えられる場所にあります。火砕流が過去に到達したと思われる場所に建っているのです」

http://dot.asahi.com/wa/2013021200006.html

 このような巨大噴火がいったん発生したら、原発はどうしようもないでしょう。防ぎようがありません。火砕流域内に入った原発のメルトダウンと放射姓物質の大量放出は防ぎようもないでしょう。

■原発破壊攻撃は想定外?

 朝鮮半島有事による北朝鮮との戦争や尖閣諸島を発端としたに日中戦争も現実的に発生する可能性は十分にあります。特に、北朝鮮による突発的な軍事行動は遺憾ながら十分に有ります(戦前大日本帝国が米国の石油禁輸措置に反発して真珠湾攻撃を敢行したように)。

 この場合には、特殊攻撃部隊(特攻)による日本の原子力発電所への急襲は十分に有り得ます。これは「想定外」とは言えないでしょう。これに防戦できる対策は何もとられていない(戦争必至の情勢になってから警戒しても遅いのです)。 原発に重武装した警備部隊はおかれる対策もとられていません。そもそも戦争になった場合に、原発を敵方の攻撃からどのように防護するのかという作戦も安全審査もないように思います。

■繰り返す「敗戦」

 本当に再稼動推進派は、この地震活動期に入った日本で原発事故が二度と起こらないと本当に信じているのでしょうか? これが安全神話なんでしょうね。

 1941年12月、客観情報を無視し、軍部の目先の利益と政治指導者の自己保身のために、精神論だけで無謀な対英米戦争を開始した大日本帝国指導部を思い起こします。対米英開戦を決定した御前会議でも大本営でも、「最善のシナリオ」だけが検討されて、不都合な「最悪のシナリオ」を無視したのです。

 これと同じことを、日本はまた繰り返すとしか思えません。
 第三、第四の敗戦が待ち構えているようです。
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2011/08/post-3c5b.html

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