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2013年10月14日 (月)

国家戦略特区=解雇規制緩和特区(追補)

■労働判例と「ガイドラインに適合する契約条項は裁判規範」との関係

裁判所は、最高裁判例とガイドラインに適合する解雇契約条項のどちらに従わなければならないか。

法学部の学生が、最高裁判例が優先すると書いたら誤りですね。

ガイドラインに適合する解雇契約条項が、裁判規範となると国家戦略特区法が定めた以上、法律(裁判規範)は、判例に優先するのです。

憲法>法律(裁判規範)>判例

これって法学部生でも知っている常識です。

■解雇契約条項の中に解雇金銭解決条項は可能か?

解雇契約条項の具体例として次のようなものも考えられます。きっとワーキンググループはこういうガイドラインも考えていると思います。

例3:再就職支援の金銭の提供をした場合には解雇できる。

例4:解雇が無効となった場合でも金銭を支払って契約を解消することができる。

これらも、特区で定めることは可能となるでしょう。八代氏や八田氏は、このような解雇金銭解決の導入の旗振り役ですからね。

■ガイドラインって何か?

ガイドラインがどのようなものか、「労働契約法16条を明確にしたもの」というだけで、内容は不明です。

真面目に法律家が、従来の判例も参考にしながら、労働契約法16条の内容をもう少し具体化するとしたら、次のようなものになるはずです。この場合は、労働者側の事情を理由とする解雇(個別解雇)、経営を理由とする解雇(整理解雇)を分けて定めることになります。

個別解雇について

○労働者の属性(個人的な事情、私傷病等)によって労務提供が最終的に継続的に不可能になった場合(ただし、休職規定適用の場合はそれによる)

○労働者の故意又は重大な過失行為によって業務に重大な障害を与えた場合

○労働者の業務遂行能力が、教育指導を重ねても、著しく低い水準となり、他に担当可能な職務がない場合

整理解雇について

①人員削減の経営上の必要性があること、②解雇回避努力を尽くしたこと(解雇の最終手段)、③解雇人選基準の合理性、④解雇について労働者・労働組合との協議を行ったこと、

判例をガイドラインにしようとすると、基本的な枠組みは以上のものになるはずです。それほど難しいものではない。まともな労働法学者(但し、大内氏、小嶌氏以外)に委嘱すれば判例に依拠した、それなりのものがすぐできるはずです。

でも、今回の特区のガイドラインはこのようなもにはならないでしょう。未だ、ガイドラインの内容は伏せられています。内容を公表したら、国民の反対が強まるために明らかにしないのでしょう。国会審議でも明らかにしないように思えます。めちゃくちゃだね。

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