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2011年7月 2日 (土)

大阪労働者弁護団の集会に参加

■7月2日 大阪労働者弁護団「賛助労組との交流会」に参加

 7月2日、大阪労働者弁護団主催の賛助労働組合との交流集会(大阪弁護士会)に労働弁護団の幹事長として参加してきました。土曜日の午前中にもかかわらず100名程度の労組員や弁護士の方々が参加されていました。
 そこで、「有期雇用法制の課題と問題点」という演題で1時間、次のような講演をしてきました。労働組合と労働弁護士が個々の事件を超えて、幅広く交流して経験を交流しあうという貴重な集会です。

■労働政策新議会労働条件分科会での審議

 2010年9月に有期労働契約法制研究会が「有期労働契約に法制の在り方」について報告書を発表した後、現在、労働政策審議会労働条件分科会が審議されています。8月までに中間的整理が発表され、秋には最終報告書、まだ流動的ですが、来年通常国会には立法提案もされる予定です。
 議論の視点としては有期労働者は雇用音不安定と低い労働条件という問題を抱え、「有期労働契約の不公正・不適正な濫用を防止する」ことをあげています。各論の論点としては、①有期労働契約締結事由の規制(入り口規制)、②有期労働契約の更新回数・利用可能期間の制限(利用可能年数の上限規制)、③雇い止め判例法理の立法化、④正社員との均等待遇を検討することになっています。
 
 有期労働契約研究会の報告書の内容と労働政策新議会労働条件分科会の審議状況を詳解しました。労働組合としては、「入り口規制」の導入、「均等待遇の実効的措置」の獲得を目指して運動をひろげる必要があると訴えました。

■上限規制だけでは副作用

 労働組合の取り組みが弱いと、2~3年の上限規制だけが導入されて、2~3年を超えて有期で雇用される労働者は、無期とみなされるという内容にとどまる危険性が高い。そうなると、利用期間の上限が来る前に多くの有期労働者が雇い止めされてしまいます。上限規制がなければ、引き続き3年、5年と雇用が継続されていたかもしれない労働者が雇い止めになります。これは上限規制の「副作用」です。そのような労働者は有期契約労働者として、企業を転々としなければならなくなります。このような有期労働者が大量に出れば、その副作用は致死的といえます。

■致死性の副作用

 「薬」にプラスの薬効があっても、マイナスの副作用が致死的でれば、その「薬」は薬害でしかありません。上限規制だけでは、致死的な副作用をもつ法律が作られることになります。労働組合としては、「入り口規制」を「均等待遇の禁止」とその実効的措置を定める法律を要求すべきです。

 

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