スパーマン「脱米国籍宣言」とビンラディン殺害
■アメコミ・ヒーローの憂鬱
昨日、内田樹氏の街場のマンガ論のなかで、アメリカンコミック・ヒーローの憂鬱と心理的葛藤は、米国民のセルフイメージのあらわれだとというエッセイを紹介しました。
2011年5月2日の朝日新聞朝刊で次のような記事が掲載されていました。
スーパーマン「脱米国籍宣言」米国を代表するヒーロー、スーパーマンが米国籍を捨てるシーンが4月下旬に出版された米アクション。コミックス誌の900号に登場
スーパーマンは、米国政府による内政干渉だとの指摘に対して、「自分の行動が、米国政府の手先と見られるのは、もううんざりだ」。地球規模に視野を広げるために米国籍を捨てる決意
というものです。アメリカ人読者から非難の声があがっているそうです
■ビンラディン殺害
アメリカの特殊部隊がパキスタン国内で軍事行動を行いビンラディンを殺害したとのニュースが午後流れました。米国民がお祭り騒ぎしている映像を見て、アメコミ・ヒーロー復活という感じです。
これでビンラディンは殉教者として死んで永遠に生きることでしょう。本来であれば、逮捕してサダム・フセインのように裁判にかけて犯罪者として処罰することが最善かつ適法な措置だったと思います。
殺害をしてお祭り騒ぎをしている連中にはおそれいります。
テロ対策がこれで進んだとは思いません。また、これを契機としたテロが活発化するでしょうし、少数の狂信的なテロリストに新たなモチベーションを与えただけです。さらに今後、5年、10年にかけて核を含めたテロの恐怖に米国は怯え続けることになるでしょう。
■中東の民衆革命
同時に、今も広がる中東各地での民主革命が、立憲主義的な民主的な政体をかたちづくるのか、それともイスラム共同体に基づく新たな政体になるのか。イスラム共同体による民主政体というものが、どういう方向に流れるのか。
ビンラディンのイスラム原理主義のテロリズムが消滅し、中東での民衆革命が新しいイスラム圏の民主化にすすむのか。
その先には何があるのか。先行きが見えない状況はかわらないですね。ただ、日本は原発震災と原発不況への対応でそれどころでなくなっています。また、近い将来必ず起こる東海地震、東南海地震の巨大地震への対応などで手一杯ですが。
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