菅総理と震災・津波・原発に思う
■不人気な菅総理
3月11日からもう2ヶ月近くたつ。菅総理の下の民主党政権への批判が大きくなってきた。特に自民党や小澤一郎派、マスコミの非難が強い。
確かに、菅総理の対策は、けっしてうまくいっていない。福島第1原発事故を収束する見通しがまったくつかない。
地震発生2ヶ月近くたっても、10万人以上の人々が避難所生活を送り、仮設住宅への移住をままならない。
でも、菅総理と民主党政権を批判したからといって、福島原発事故が収束するわけでもないことも間違いない。
唯一、菅総理が目覚ましい指導力を発揮したのは、3月12日に東電が福島第1原発から撤退を考えたときに、東電本社に乗り込み、「覚悟を決めろ」と一喝したことだったと思う。もし、東電が福島原発から撤退したら、もっとひどい状況になっていたことでしょう。私は、この菅総理の行動をもっと評価すべきだと思います。
■もし自民党政権であったらどうなったでしょうか。
今回の震災・津波により、レベル7の原発事故が発生したことが最大の問題。この福島第1原子力発電所の被害対策を怠ってきた最大の責任は長年、原発を推進してきた自民党旧政権にある。民主党はその結果を引き受けているにすぎない。
もし、自民党政権であったら、自己保身と責任逃れに終始し、必死に原発事故の情報隠しをしたにちがいない。自民党や自民党議員が東電など電力業界から多額の献金を受けていたことは紛れもない事実である。
その自民党は、自らの原発への安全対策が不十分であったことを、国民に陳謝すらしていない。ただ、菅首相と民主党政権を批判するだけである。自民党は、民主党を批判する資格はない。
自民党が政権についていたら情報統制を行って、さらに東電を免責して、原発被害隠しをしたと個人的には確信している。(現に過去、そのようにしてきたから)。民主党政権は、問題が多々あるとはいえ、情報を完全公開しようとする熱意があることは間違いない(その方法が拙劣であるが。)
■代わりの人物はいないし、総選挙しているどころではない
菅総理が、今、リーダーとして優秀とは思えない。では変わりにリーダーはいるだろうか。そのような人物は民主党にも自民党にも残念ながら見当たらない。また、こんな時期に総選挙もありえない。小澤一郎や鳩山由起夫、自民党の倒閣運動は、けっして国民多数の支持をうけることはないだろう。
そうであれば、菅総理を中心に大同団結をして困難を克服するしかあるまい。
財源問題や増税問題などの具体策については、色々な意見があるのでしょう。これらは党派的な打算を抜きにして政策的論議をつめれば合意できるのではないかと思うのですが…(甘いかな)。
■それにしても、一番まともな政党があるんだけどね
過去、原発について、一番まともなことを言ってきたのは共産党でした。同党の吉井英勝衆議院議員(京大の核物理学専攻)の国会での質問がまともに取り上げられたら、今回の津波での原発事故は防げたかもしれない。
共産党は、徹底的な安全対策をした上での原発容認という立場(条件付き原発容認派)だった。私も「原発を廃止できたら良いけど、石油などの自然エネルギー枯渇するなかで、代替エネルギーの見通しがないのに原発廃絶は無責任じゃないかな?」と思っていました。今回、共産党は「脱原発」に転換したようだ。
まともなことを言っていても「共産党」という名前だけで、その意見は尊重されませんねえ。玄人うけはするのですが・・・
(追記)
今日の朝日新聞朝刊によると、自民党の原発推進派が原発推進派の政策会議を発足したと報道されています。加納時男という元参議院、元東電副社長が旗振り役で、甘利明元経産相が委員長とのこと。
原子力を選択したことは間違っていなかった。地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ低線量の放射線は『むしろ健康にいい』と主張する研究者もいる。説得力があると思う。
あろうことか、「原発は地元の要求で設置して、お金も沢山出した。低線量放射線は身体に良い」とまで言い切っています。確かに、原発をすぐには廃止できないでしょう。でも、このまま、東海地震、東南海地震が起きたらどうなるでしょうか。
しかし、一番、頭を抱えているのは谷垣自民党総裁でしょうね。
謝罪さえしようとしない、この自民党だけには、日本と子どもの未来を委ねてはならないと思います。
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