« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月17日 (日)

映画「SP革命編」 

■SP革命編をみる

http://sp-movie.com/index.html

昨日は久々の土曜休みで、下の娘と映画館でSP革命編を観てきました。SP野望編も娘と観ましたが、お約束の続編です。

娘たちに言わせると「19歳の娘が父親と映画を観に行くなんて、普通はありえない。父親として相当に幸せなのだ」そうです。(私としては映画チケット代と食事代をうかせているだけのように思うのですが。まあ、娘二人合計14年間も保育園・学童保育の送り迎えを続けた「成果」かもしれません)

それはともかく、SP革命編は、SPや自衛官らの反乱分子が、腐りきった国会議員や閣僚を糾弾・告発して国民を覚醒させるため国会を占拠するというストーリーです。

堤真一演じるSPかつ反乱分子のリーダーが「国民よ、覚醒せよ。刮目せよ。」とテレビに語りかけるところは、2.26事件か三島由紀夫事件かという感じでしたね。

■ファシズム・平成維新

ただ、映画のストーリー(脚本)は、そう単純ではなく、この反乱分子を背後から操っている官僚グループと政治家がいること、さらに、その奥にもっと大きな黒幕がいることなどが示唆されており、単純なファシズムをあおるストーリーにはなっていません。

ということで、前作のSP野望編は全編アクションばかりの映画でしたが、SP革命編は少し理屈ぽかったです。

政治家や官僚は腐敗し、警察組織(暴力装置)の幹部が無能でも、第一線のSPの現場の若者たちが最後に立ち上がってテロリストを打ち倒すというハリウッド的なストーリーです。

映画は、アクションも国会議事堂の様子もリアルで楽しめました。娘は「岡田くんも、堤真一も格好いい。出てくる男性俳優も身体の切れが良くて、みんな格好良かった。真木よう子もかっこいい」と手放しのほめようでした。

■革命とクーデターの違い

見終わってから娘に、「あれは革命ではなく、単なるクーデターだ」と言ったところ、「クーデターって革命と同じじゃん」と言われました。

そこで、父親としては教育の必要があると考えて、「クーデターとは一部の反乱分子の国家権力機構への攻撃と奪取にすぎない。革命とは被支配階級である人民が立ち上がる政治的な社会革命だ」と一講釈したところ、娘は「ふんっ」と2階の自室にに引き上げていきました…。

でも、SP革命編はなかなか面白かったので、まだ続編「最終エビソード」がありそうなので楽しみにしてます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2011年4月14日 (木)

労組法上の労働者性に関する最高裁判決

 新国立劇場事件とINAX事件の最高裁判決が4月12日同日に最高裁(三小)にて言い渡されました。内容は、CBC管弦楽団最高裁判決(一小・昭和51年5月6日)と同じ枠組みの事例判決です。

■CBC管弦楽団最高裁判決

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121423798333.pdf
(1)本件の自由出演契約の趣旨は、楽団員をあらかじめ会社の事業組織のなかに組み入れておくことによって、事業の遂行上不可欠な演奏労働力を恒常的に確保しようとするものであること
(2)原則としては発注に応じて出演すべき義務のあること
(3)楽団員の演奏労働力の処分につき会社が指揮命令の権能を有しないものということはできない。
(4)楽団には、演出についてなんら裁量を与えられていないのであるから出演報酬は労務の提供それ自体の対価である

■新国立劇場最高裁判決

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110412150301.pdf
(1)出演基本契約は、年間シーズンの全ての公演に出演することが可能である契約メンバーとして確保することにより、公演を円滑かつ確実に遂行することを目的として締結されていたものであるといえるから、契約メンバーは公演の実施に不可欠な歌唱労働力として財団の組織に組み込まれていた。
(2)また、当事者の認識や契約の実際の運用においては、契約メンバーは、基本的に財団からの個別公演出演の申し込みに応ずべき関係にあった
(3)しかも、出演基本契約の内容は財団により一方的に決定されていた
(4)そして、契約メンバーは、財団により決定された公演日程等に従い、角個別公演及びその稽古につき、財団の指定する日時、場所において、その指定する演目に応じて歌唱の労務を提供していたのであり、歌唱技能の提供の方法や提供すべき歌唱の内容については財団の選定する合唱指揮者等の指揮を受け、稽古への参加状況については財団の監督を受けていたのであるから、財団の指揮監督の下において労務を提供していた
(5)なお、契約メンバーは時間的にも場所的にも一定の拘束を受けていた
(6)さらに、予定された時間を超えて稽古に参加した場合には超過稽古手当も支払われており、報酬の金額の合計は年間約300間年であったというのであるから、その報酬は歌唱の労務の提供それ自体の対価である

■INAX最高裁判決

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110413094337.pdf
(1)カスタマーエンジニア(CE)は、被上告人の事業の遂行に不可欠な労働力として、その恒常的な確保のために被上告人の組織に組み入れられていた
(2)また、被上告人がCEとの間の契約内容を一方的に決定していたもの
(3)さらに、CEの報酬は、顧客に対する請求金額に被上告人が決定した級ごとに定められた一定の乗率を乗じ、これに時間外手当等に相当する金額を加算する方法で支払われていたのであるから労務の提供の対価としての性質を有する
(4)加えて、各当事者の認識や契約の実際の運用においては、CEは、基本的に被上告人による個別の修理補修等の依頼に応ずべき関係にあった
(5)しかも、CEは、被上告人の指定する業務遂行方法に従い、その指揮監督の下に労務の提供を行っており、かつ、その業務について場所的にも時間的にも一定の拘束を受けていた

■CBC最高裁判決との比較
CBC最高裁判決と異なった点は次の3点でしょう。

<1>CBC最高裁判決は楽団員に「出演すべき義務」があるとしたが、新国立劇場もINAXも、「基本的に出演(依頼)に応ずべき関係」にあればよいとした点。

<2>契約内容を一方的に決定されるか否かという事情を明示したこと

<3>CBC最高裁判決は、時間的・場所的拘束が薄くても、「労働力の処分につき指揮命令の権能がないものということはできない」としたが、新国立劇場もINAX事件でも「指揮監督下の労働」を強調している。

上記<1>について、CBC最高裁判決の昭和51年度最高裁調査官解説(佐藤繁調査官)が、「出演発注を事実上拒否できない関係であるとしていた原判決の判示を改めて、法律上の義務を負う関係であることを明らかにした」としていた。この調査官解説が一人歩きして、一連の労働者性を否定する判決につながった。最高裁は、これを是正したものと言えます。

上記<3>の点は、新国立劇場もINAXも指揮監督下の労働を強調しすぎている点が問題です。これでは使用従属関係が必要と誤解されるおそれがあります。しかし、両判決とも、「しかも」という接続詞のあとに書かれたものですから、これは補強要素の事情(必要条件でない)と読むべきなのでしょう。指揮監督下の労働でなければいけないとした趣旨ではないはずです(本件事案では指揮監督下の労働と言えるから指摘した程度)

■中労委ソクハイ事件
 ちなみに、現中労委(菅野和夫会長)は、労組法上の労働者性の判断について次のとおりの新たな枠組みを明示しました。

(A)①発注者の事業活動に不可欠な労働力として恒常的に労務供給を行うなど、いわば発注主の事業祖機に組み込まれているか([1]契約上の諾否の自由の有無、[2]労務供給の日時・場所・態様について拘束ないし指示を行っていること、[3]専属性の有無)
②契約内容が対等な立場で合意されるのではなく、発注主により一方的・定型的・集団的に決定されているか
③報酬が労務供給に対する対価とみることができるか
(B)事業者性が顕著でないこと

■最高裁判決の評価
基本的には、従来の枠組みは変わっていないものですし、ソクハイ事件の中労委の判断枠組みと共通したものと言えるでしょう。

最高裁の判断枠組みは、「使用従属関係」の用語は使用していませんが、実質的には使用従属関係の枠組みと理解されます。ただ、労基法上の労働者性ほどの厳格な使用従属関係は必要ではない。実質的に緩和された使用従属関係(事業に組み入れられているか)で良いというものなのでしょう。まあ、教科書的には、常識的な構成ですね。

しかし、本来は、労務供給契約を締結して契約内容が一方的に決定されるような者であれば、独立した事業者である場合を除き、すべて労組法上の労働者と言うべきなのだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (1)
|

2011年4月 5日 (火)

原発震災と情報公開 中東や中国並みになった日本

■気象学会が放射性物質の拡散予測を自粛要請

朝日新聞

福島第一原発の事故を受け、日本気象学会が会員の研究者らに、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう求める通知を出していたことが分かった。自由な研究活動や、重要な防災情報の発信を妨げる恐れがあり、波紋が広がっている。

 文書は3月18日付で、学会ホームページに掲載した。新野宏理事長(東京大教授)名で「学会の関係者が不確実性を伴う情報を提供することは、徒(いたずら)に国の防災対策に関する情報を混乱させる」「防災対策の基本は、信頼できる単一の情報に基づいて行動すること」などと書かれている。

http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020166.html

■気象学会HP

気象学会の会員へのメッセージでは、「ここでは、放射線の影響予測については、国の原子力防災対策の中で、文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています。」としています。

http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020166.html

独立した学問研究の学会に求められるのは、上記の政府の防災情報が適切であるかどうかを科学者の自由な研究で検証すること自体です。このようなメッセージを出すことは、国際的にみて、日本の立場を悪くするだけで、良くするものではありません。

■気象学会が「想定外」はおかしいでしょう。

また、上記のメッセージには、災害は想定を越えた激しい現象によって起きると言っていますが、これも気象学者や地震学者は、今回の大津波を想定していたはずです。

これは石橋克彦神戸大学名誉教授の1997年10月論文でも明らかです。

■日本人も外国人も、日本の科学者や政府を信用しなくなる

ロイター通信では、東電が、2007年7月、米国フロリダ州マイアミの国際会議で、福島原発をモデルにして、スマトラ沖地震と道程の大津波の危険性があると発表していたことを報道しています。今は、インターネットで、どんどん情報は伝わっています。

 <埋もれた4年前のリポート、福島原発モデルに巨大津波を分析>

 「津波の影響を検討するうえで、施設と地震の想定を超える現象を評価することには大きな意味がある」。こんな書き出しで始まる一通の報告書がある。東京電力の原発専門家チームが、同社の福島原発施設をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年7月、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表した英文のリポートだ。

 この調査の契機になったのは、2004年のスマトラ沖地震。インドネシアとタイを襲った地震津波の被害は、日本の原発関係者の間に大きな警鐘となって広がった。

 とりわけ、大きな懸念があったのは東電の福島第1原発だ。40年前に建設された同施設は太平洋に面した地震地帯に立地しており、その地域は過去400年に4回(1896年、1793年、1677年、1611年)、マグニチュード8あるいはそれ以上と思われる巨大地震にさらされている。 その報告には次のような可能性を示すグラフが含まれている。

 ―福島原発は1―2メートルの津波に見舞われる可能性が高い。

 ―9メートル以上の高い波がおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。

 ―13メートル以上の大津波、つまり3月11日の東日本大震災で発生した津波と同じ規模の大災害は0.1パーセントかそれ以下の確率で起こりうる。

 そして、同グラフは高さ15メートルを超す大津波が発生する可能性も示唆。リポートでは「津波の高さが設計の想定を超える可能性が依然としてありうる(we still have the possibilities that the tsunami height exceeds the determined design)」と指摘している。 

 今回の大震災の発生を「想定外」としてきた東電の公式見解。同リポートの内容は、少なくとも2007年の時点で、同社の原発専門家チームが、福島原発に災害想定を超えた大津波が押し寄せる事態を長期的な可能性として認識していたことを示している。 

http://jp.reuters.com/article/wtBusinessNews/idJPJAPAN-20331920110330

■気象庁の放射姓物質の公表規制

読売新聞も、次のように報道しています。

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が同原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していないことが4日、明らかになった。

 ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は日本の気象庁などの観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散する様子を連日、天気予報サイトで公開している。日本政府が公開しないことについて内外の専門家からは批判が上がっており、政府の原発事故に関する情報開示の在り方が改めて問われている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000603-yom-soci

■欧州では、日本の福島原発の放射性物質の予測発表

HPでは、フランスやノルウェーでは放射性物質の予測は既に公表されています。

http://www.irsn.fr/EN/news/Documents/irsn-simulation-dispersion-jp.pdf

http://www.dwd.de/bvbw/generator/DWDWWW/Content/Oeffentlichkeit/KU/KUPK/Homepage/Aktuelles/Sonderbericht__Bild4,templateId=poster,property=poster.png

■原発被災にあたって情報規制は国家の信用を失う

これが今のインターネット社会です。にもかかわらず、気象学会や日本政府が情報提供を制限しようとするのは、中東の独裁国家や中国、北朝鮮のように規制しようとすることは信じがたいことです。

| | コメント (1) | トラックバック (1)
|

2011年4月 1日 (金)

震災と労働相談 Q&A(第1版) 労働弁護団

東北関東大震災と労働問題Q&A(第1版)

日本労働弁護団で次のような質問についてのQ&A(第1版)を、労働弁護団のHPに掲載しました。

http://roudou-bengodan.org/topics/docs/%E6%9D%B1%E5%8C%97%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD%E3%81%A8%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C%EF%BC%B1%EF%BC%86A%E7%AC%AC%EF%BC%91%E7%89%88.pdf

参照ください。

また、厚生労働省が労基法等のQ&Aの第2版を出しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017f2k.html

■休業と賃金
Q1 震災による休業と賃金・休業手当・雇用保険
  会社の工場が地震と津波のために被害を受けたため操業停止となっています。(1)賃金や休業手当はもらえないのでしょうか。また、(2)退職しないと雇用保険から失業給付をもらえないのでしょうか。

Q2 原発事故による休業と賃金・休業手当・雇用保険
  地震や災害での直接の被害を受けませんでしたが、原子力発電所の避難対象地域に指定されて会社が休業しています。私も県外に避難しています。この場合には、賃金や休業手当はどうなるのでしょうか。屋内待機対象地域の中にある会社の場合はどうなるでしょうか。

Q3 地震の直接被災でなく経済的理由による休業の場合
  地震のために東北地方の工場から部品が入手できないとして、私が勤務する東京の工場が休業となりました。東京工場は震災等で直接の被害を受けていません。この場合に賃金や休業手当は支払われるのでしょうか。

Q4 計画停電と休業
  会社から、正午から3時まで計画停電になるから、効率が悪いので一日、休業するとの指示が来ました。この場合には休業手当はもらえないのでしょうか。

Q5 震災による賃金未払いと政府の賃金立替払制度
  震災により被害を受けたため工場の操業が止まってしまいました。社長も資金繰りに奔走していますが、震災前の給料も支払えない言っています。この場合には給料は支払ってもらえないのでしょうか。また、工場が原子力発電所の避難地域に指定されている場合はどうでしょうか。

Q6 震災による経営困難と中小企業助成
  私の会社は地震や津波の直接的被害を受けませんでしたが、顧客が激減し、また原料や部品も入手できず、事業を一部休業したり縮小しています。このような中小企業への救済策で活用できるものはありますか。

Q7 派遣労働者と派遣先の震災による休業
  私は派遣労働者ですが、派遣先が地震により事業活動を中止しているために、派遣先で仕事ができません。この場合に給料はもらえますか。

■解雇や雇止め
Q8 震災による経営障害を理由とする解雇・雇止め
  私が勤務している会社は東京にありますが、東北地方の大震災により部品を調達できなくなったため事業を縮小するとして、1年の有期労働契約を締結・更新して5年以上働いてきた労働者全員を4月末で雇い止めをすると発表しました。また、正社員も10名を解雇すると言います。これは大震災のためですから、仕方がないのでしょうか。

■労働災害・通勤災害
Q9 就労中の震災による怪我と労災
  今回の震災によって事業場内の棚が倒れてきてケガをしました。労災になるのでしょうか。

Q10 事業場からの避難中の救護と労災
  今回の地震と津波により会社から避難するときに、同僚労働者が壁の下敷きになっていたのを助けようとして、私も手にケガをしてしまいました。労災になるのでしょうか。特に上司に救助しろと指示されたわけではありません。

Q11 通勤中の震災による怪我と通勤災害
  通勤途中で、地震と津波にあって列車が脱線してケガをしました。労災保険を受けられますか。

Q12 震災による交通機関途絶期間の通勤災害
  地震により電車が止まっているために、オートバイで会社に通勤せざるをえません。その途中に事故にあいケガをしてしまいました。労災保険をもらえますか。
■震災と派遣切り
Q13 震災による経営難による派遣切り
  私は派遣労働者として働いていますが、派遣先から「東北地方からの部品が納品されないために派遣契約を解除することになる」と通告されました。派遣会社(派遣元)に相談したところ派遣先の都合でやむを得ないと言われました。今後、仕事がなくなり、生活できなくなります。どうしたら良いでしょうか。

Q14 震災を理由とする派遣労働者の解雇
  派遣会社に新しい派遣先の確保をするように求めましたが、派遣会社は、「震災の影響が大きく、新たな派遣先が確保できないので解雇する」と言われました。震災の影響なので、解雇されるのは仕方ないのでしょうか。Q8も参照ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »