まねきTV事件最高裁判決 H23.1.18
■まねきTV事件
新聞報道でご承知のとおり、テレビ局の放送を、被上告人が顧客からソニーのベースステーションの親機を預かって設置し、海外などに在住する顧客が持っているベースステーションのモニターに、インターネットを通じて送信した行為について、最高裁はテレビ局の著作権を侵害するとして違法としました。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110118164443.pdf
東京地裁の知財部、知財高裁では、顧客が所有する親機と子機の間で1対1で放送を送信する行為は、著作権侵害をしないとしました。ところが、最高裁は、送信が1対1の関係でも、被上告人が顧客を多数集めて、ベースステーションを設置管理し、放送をアンテナから入力する行為は、公衆送信権の侵害となるとしました。
■知財高裁と最高裁の判決の分かれ目は
ベースステーションという機器の理解や法解釈の違いというよりも、新しい技術革新が行われ新しいサービスが出現したとき、新しい技術によるサービスを拡大する方向を重視するのか、古典的解釈を重視するのかという価値観の違いが判断の分かれ目のようです。
最高裁は、インターネットやベースステーションという新技術を使って、既存のテレビ放送の転送サービスから、お金を稼ぐことは許されないという発想なのでしょう(古典的なフリーライダー解釈)。それで、1対1の機器を使っても、自動公衆送信装置を拡大解釈した。他方で、知財高裁や東京地裁知財部は、技術革新の利用によるサービスを発展させるという観点から、自動公衆送信装置を厳格に解釈したという違いのようです。
■利害調整と政策方向
問われる点は、新技術による新サービスによる利用者の利益や新技術によるビジネスモデルの発展という利益と、古典的な権利者との利害調整ということになるわけです。結局、最高裁がこういう判断をした以上、政策的な判断を踏まえた立法的な解決を目指すしかないでしょう。
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