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2010年12月23日 (木)

久しぶりの呟き

年末の慌ただしさのなか、ブログの更新がなかなかできませんでした。

労働弁護団の幹事長になってから、労働ネタを書くのは、気をつかってしまって、なかなかか前のようにタイムリーに書けません(個人的ブログとは言っても、やはり・・・萎縮していまいます)。

■日航の整理解雇

いよいよ日航が労働者を整理解雇をはじめました。先日wowowで、映画の「沈まぬ太陽」を放送していました。日航の労働者のたたかいは、来年から本格化するでしょう。

労働弁護団も緊急声明を出しました。

企業再生支援機構によるJALの労働組合への支配介入に抗議する

http://roudou-bengodan.org/proposal/detail/post-9.php

日本航空の整理解雇に対する緊急声明

http://roudou-bengodan.org/proposal/detail/post-8.php

■韓国の非正規労働者保護法

先日、JILPTの呉先生から、韓国の非正規労働者保護法についての講義をお願いしました。韓国の非正規労働者保護法については、すでに様々なところで報告されています(最近は労働旬報での特集)。

呉先生のお話で驚いたのは、韓国では、非正規労働者の均等待遇違反は、労働委員会に是正申立ができ、労働委員会は60日以内に結論を出さなければならず、すでに1000件が申し立てられており、うち4割が是正命令が出されているということです。

韓国の労働委員会の活性化と労使関係への影響力は大きなものがあります。日本の労働委員会と大違いです。

■昔話

もう23年前になるでしょうか、労働弁護団(当時は、まだ総評弁護団だったと思います)で、韓国から、東大の菅野教授のもとに留学されていた研究者を招いて、韓国労働法のお話をお聞きしたことがあります。

当時は、韓国の労働法は労組弾圧立法の性格を有しているようで(私の勝手な思い込みかもしれませんが)、同じ甲企業のA工場とB工場があり、A工場の労働組合が、B工場の労組のストライキを支援するために、B工場に応援にいくと、労組法に反するとして刑罰の対象となり、逮捕されるというお話を聞きました。

しかし、その後、韓国は「学生、市民、労働者」諸氏(まあ、古くさい言葉で、日本では死語ですが)の奮闘(血と汗であがなった本当の意味での艱難辛苦の奮闘)で、民主化を実現したわけです。

2000年頃、日本で司法改革の中で、労働参審制や労働審判制を議論しているときに韓国の法制を再度調べたことがあります。当時、韓国は既に労基法で、正当な理由のない解雇を規制し、整理解雇要件を立法化して、労働委員会が個別的労働紛争についても審理をするという法律をつくっていたので驚いたものです(宗剛直著「韓国労働法」2001年悠々社)。東大の菅野先生から韓国の労働委員会を傍聴したお話をお聞きしたところ、「実効性ある制度として運用されている」ということでした。

これらの非正規労働者保護法や一連の労働立法が成立した要因は、やはり韓国の民主化闘争の力ということでしょう。その力が、金大中政権と盧武鉉政権が成立させて労働立法を実現したのですから。

自民党政権から民主党政権への政権交代は、韓国の民主化ほどでなくとも、社会的弱者との連帯を大切にする公正な日本型福祉国家への第一歩になるかと、昨年は期待したものですが・・・

■とはいえ

20年前に比べれば、規制改革一本槍から、労働に関するルールや公正な社会のあり方について、一般マスコミでも議論される時代になったことを思えば、大きな前進です。

私の福祉社会のイメージは、普通にまじめに働く人は家族とともに楽しく暮らせる社会というものです。これを実現するための方策は、それほど難しくないはずです。ある方法を試して失敗すれば、修正すればすむ話しのはずです。

ただし、社会の利害関係や権力闘争を抜きにすればです。利害関係や権力闘争から自由になれる人間社会はありませんから…話しは単純にはいきません。

なぜ、そう単純にいかないか。マルクス、ウェーバー、ロールズ、多くの社会学者や社会哲学者がさんざん議論してきたところです。まあ、これらの思想も、もはや「左翼」の旧い観念として軽んじられるのが日本の現状のようです。

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