裁判所と司法修習生給費制(2)
■なぜ最高裁は司法修習生給費制維持に反対するのか。
最高裁が、司法修習生給費制の維持について、日弁連に敵対的に反対論陣をはった理由について、ある人は、貸与制免除制度をつくって、ローファームにいく、「優秀な修習生ないしロースクール生」をつなぎとめるという計画があるという意見があります。
http://blog.goo.ne.jp/henahena007/e/3344475e49775fddb0a27f3a36f04090
私は、それは違うと思います。300万円程度の貸与免除では、そもそも裁判所とビジネスロイヤーとは勝負になりません。
その程度で、裁判官になるか、ビジネスロイヤーになるかって、悩むなんて余りに侘びしいですなあ。
いくらなんでも、法曹界はそこまでひどくないのでは?
裁判官になる連中は少なくとももっと志が高いのではなないでしょうか。少なくとも、ビジネスロイヤーとしては、300万円どころかもっと稼ぐという志が高いことは間違いないとおもいます。(5年たてば、所得では10倍はらくちんでしょう。売り上げじゃないですよ。)
■任官志望者は多い。
今の経済情勢から言えば、裁判官志望者は減っていません。75人クラスで1人くらいしか裁判官になれませんから、狭き門です。最高裁は、へんな人は任官させたくないでしょうから、門戸を広げるつもりはありません。300万円くらいで勧誘しよう(でjきる)なんて思っていないでしょうね。
■でも、そもそも任官志望者や、ローファームの弁護士が優秀なの?
(町弁、ロー弁の下々のひが目からだけど)
そもそも、任官志望者やローファーム入所者が「優秀」であるということを疑いもなく前提とするのがおかしいでしょう。彼らは、確かに「優秀」です。東大出身者を筆頭として、「受験秀才」として、とびきり「優秀」でしょう。
まあ、ローファームに入る若手弁護士は知りませんが、主要事務所にパートナーに残る連中の傾向いうか、ノリというものは、私たちのような「労弁」と余り変わりない感性を感じます。人物が問われるというか。裁判所の中枢にも共通しますが、曰く言い難い、旧い世代共通の感性を感じます。
法律知識や実務経験はもちろんですが、熱意というか、情熱というか、人柄というか、思想というか、リーダー気質というか、つまり依頼者その他への説得力(コミュニケーション能力)という観点からは、左右の指向性全然別でも、共通性があるなあと・・・。
■しかし、法律実務家なら受験秀才の限界はみな知っているでしょう
法律実務家なら、ご承知のとおり、受験秀才だけな人物ほど、役に立たない人種はいないです。
もちろん、受験秀才で、かつ法律実務家として卓越した才能を発揮する人はいます。
でも。逆はまた真ならず。
■最高裁も品がないよね。
最高裁は給費制が維持されれば、司法予算獲得にマイナス要素になると考えて、品もなく反対質問書を出したのでしょうね。
これが民主党政権に対する最高裁の評価と見るべなのです。つまり、司法予算を増額する力も思想も、民主党にはないと最高裁が見ているということなのです。
そんなことを、最高裁が日弁連の質問書に出すなんて、品がないよね。
まあ、受験秀才の牙城のようなところですからね、最高裁事務総局は・・・、
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