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2010年10月 3日 (日)

尖閣諸島 中国船問題(続き)

■続き
前回のブログは尖閣諸島の中国人船長の報に接して驚愕して勢いで書いたブログなもので真意がうまく伝えられなかったようです。

■要点

要点は次のとおり

 ○本来、漁船は船長を逮捕せず、領海外に強制退去すれば足りるし、そうすべきであった。
 ○政府のトップが政治的判断をすべき事柄であり、単に、現場にまかせる問題ではない。
 ○万一、逮捕したとしても、事後処理としては、政府判断で、起訴猶予として、法務大臣が次のように発表する。「違法性が高いが、逃走中の操船の誤りの可能性もあり、船長も反省しているようだから、起訴猶予にする。今後、同じようなことがあれば厳しく対処するので、中国には再発防止策をとるように伝える。」

■事実経過 国交大臣会見と、朝日新聞報道

9月28日の朝日新聞の報で桜によれば、逮捕の判断は、前原国交大臣(当時)ということ。

国交大臣の記者会見を見ると間違いなく、前原の判断であったようである。逮捕に踏み切り、その後の展開を読み誤り、しかも、圧力に屈して、政府の意図不明のまま処分保留で釈放してしまうという、最悪の対応をした。

9月10日前原国交大臣記者会見を見る。

http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin100910.html

これによれば、衝突から逮捕、送検までの時系列は次のとおり。

9月7日 漁船発見して、巡視船が退去の警告

同日 午前10時15分 漁船の左舷船首が巡視船の左舷船尾に接触

同日 午前10時56分 久場島の北北西約15㎞で漁船が巡視船の右舷中央部に衝突(公務執行妨害)

その後、場島の北北西約27㎞の地点で巡視船が漁船を強行停船させて、海上保安官6名が移乗。

9月8日 午前2時3分 船長を公務執行妨害で逮捕。

9月9日 午前10時41分 海上保安部から那覇地検石垣支部に送致。

海上保安官6名が移乗した時間が明記されていないが、衝突地点で約12キロはなれていますから、それなりに時間が経過した後なんでしょうね。

上記経過を見ると、衝突の7日午前10時56分から、逮捕の8日午前2時3分まで14時間が経過しているということです。つまり、現場判断で逮捕したのではなく、現場は海上保安庁トップへの指示を受けつつ逮捕したということです。海上保安庁トップは、国交省や官邸と協議の上、逮捕、身柄確保の命令を現場に出しているということは明白です。

前記朝日新聞によれば、7日の事件発生後、前原大臣が電話で海上保安庁長官鈴木久泰に電話で指示し、仙谷官房長にも電話で毅然と対処すべきと伝えた。前原大臣は逮捕を主張し、岡田外相にも連絡をした。7日の夕方、仙谷官房長間が官邸で海保と外務省の幹部から報告をうけて逮捕を決定。

■やはり逮捕は前原国交大臣が主張し、仙谷が受け入れた

以上の時間的経過を見れば、逮捕せず国外に強制退去するという判断を、政府中枢が決める時間的猶予が十分にあった(現場の暴走で逮捕したものではない)。ところが、逮捕した場合の中国の対応を全く読み誤って逮捕という根本的なミスをもつ判断をした。

中国が外交的報復、経済的報復をすることは当然に予想された。今の日本経済の状態(中国との貿易なしでは経済成長はありえない)ではリスクが大きすぎる。中国との経済関係が壊れれば、それこそ国益を害する。

日本が尖閣諸島を実効支配しており、その見地は国際的にも支持されているから、逮捕・起訴という波風をたてるメリットは全くない。そのような冷静な判断こそが政府には求められるというものです。

ところが、逮捕した結果、また、その後の処理のまずさにより、中国の圧力によって釈放したという日本外交の大失態をさらし、国益を害した。その責めを負うべき者のは、事後処理の見通しもなく、勢いで逮捕してしまった前原でしょう。日本の名誉を守りたいという思いだけでは、通用しないのであり、冷静で将来を見通す危機管理ができなかったということです。偽メール事件のときと同じです。
 

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