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2010年5月 9日 (日)

労働法と民法(債権法)改正(その8) 継続的契約と労働契約 更新拒絶

■継続的契約と労働契約
 基本方針は、継続的契約に関する定めを制定することを提案しています。この継続的契約の定義は次のようなものです。

  【3.2.16.12】(継続的契約の定義)
   継続的契約とは、契約の性質上、当事者の一方または双方の給付がある期間にわたって継続して行われるべき契約をいう。ただし、総量の定まった給付を当事者の合意により分割して履行する契約(以下、「分割履行契約」という)は、これに含まれない。

 この基本方針の定義を素直に読めば、期間の定めのある労働契約も継続的契約に含まれることになります。委任の更新や解除については継続的契約が適用されると基本方針は言っていますので(別冊NBL375頁)、継続的契約が労働契約にも適用されることを前提としているようです。

■有期雇用契約の雇止めの判例法理
 そうすると、「期間の定めのある継続的契約に関する終了事由」の定めが、有期労働契約に適用されることなります。

【3.2.16.14】(期間の定めのある契約の終了)
    <1>  期間の定めのある継続契約は、期間の満了により終了する。
    <2>  当事者間に契約締結時またはその後期間満了時までの間に<1>の契約を更新する明示または黙示の合意が成立したものと認められる場合には、その契約は更新される。
    <3> <2>の合意が認められない場合であっても、契約の目的、契約期間、従前の更新の経緯、更新を拒絶しようとする当事者間の理由その他の事情に照らし、更新を拒絶することが信義則上相当でないと認められるときは、当事者は、相手方の更新の申し出を拒絶することができない。
    <4> <2>または<3>による更新がされたときは、当事者間において、従前の契約と同一の条件で引き続き契約されたものと推定する。ただし、その期間は、定めがないものと推定する。

      
 <3>の条項は、更新の合意がなくても、「契約の目的、契約期間、従前の更新の経緯、更新を拒絶しようとする当事者間の理由その他の事情に照らし、更新を拒絶することが信義則上相当でないと認められるときは、当事者は、相手方の更新の申し出を拒絶することができない」とします。これは、いわゆる有期労働契約の雇い止めについての最高裁判例に共通する考え方です。<4>の条項によれば、更新されたあとは期間の定めのない労働契約になりますから、労契法16条が適用されることになります。

 労働契約法でも議論された雇い止めについての判例法理が民法(債権法)改正ということで立法されることになります。実に歓迎すべきことです。改正検討委員会はそこまで考えて提起しているものと期待しています。継続的契約と有期労働契約の関係は、鎌田耕一教授が「民法改正と労働法」(労旬1711号41頁)で指摘されています。

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