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2009年11月24日 (火)

法制審議会 債権法部会 発足

いよいよ11月24日、民法の債権法改正の法制審部会が始まりました。

■部会のメンバーが発表されています。

http://www.moj.go.jp/SHINGI/meibo_saiken.html


【委員】
 内 田   貴 法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与)
大 島   博 株式会社千疋屋総本店代表取締役社長)
岡   健太郎 東京地方裁判所判事)
岡   正 晶 弁護士(第一東京弁護士会所属)
岡 田 ヒロミ 消費生活専門相談員
鎌 田   薫 早稲田大学教授
木 村 俊 一 東京電力株式会社総務部法務室長
新 谷 信 幸 日本労働組合総連合会総合労働局長
團 藤 丈 士 法務省大臣官房審議官
中 井 康 之 弁護士(大阪弁護士会所属)
中 田 裕 康 東京大学教授 
能 見 善 久 学習院大学教授
野 村 豊 弘 学校法人学習院常務理事・学習院大学教授
林   道 晴 最高裁判所事務総局民事局長
原     優 法務省民事局長
松 岡 久 和 京都大学教授
松 本 恒 雄 一橋大学教授
三 上   徹 株式会社三井住友銀行法務部長
山 下 友 信 東京大学教授
【幹事】
朝 倉 佳 秀 最高裁判所事務総局民事局第二課長
大 村 敦 志 東京大学教授
沖 野 眞 已 一橋大学教授
鹿 野 菜穂子 慶應義塾大学教授
神 作 裕 之 東京大学教授
潮 見 佳 男 京都大学教授
島 﨑 邦 彦 法務省民事局参事官(心得)
高 須 順 一 弁護士(東京弁護士会所属)
筒 井 健 夫 法務省民事局参事官
手 嶋 あさみ 最高裁判所事務総局民事局第一課長
道垣内 弘 人 東京大学教授
萩 本   修 法務省民事局民事法制管理官
畑   瑞 穂 東京大学教授
深 山 雅 也 弁護士(第二東京弁護士会所属)
森   英 明 内閣法制局参事官
山 川 隆 一 慶應義塾大学教授
山野目 章 夫 早稲田大学教授
山 本 和 彦 一橋大学教授
山 本 敬 三 京都大学教授

■感想

日弁連からは我々のエース4人(委員中井康之先生、同岡正晶先生)、(幹事高須順一先生、同深山雅也先生)、が入っています。

労働法関連では、慶応の山川隆一教授が幹事として、参加されてます。

気になるのは、ユーザーの立場の委員が少ないことです。

日本経団連から3名。東電や三井住友法務部は良いとして、分かりやすい民法って何かという問題で一番意見が貴重な意見を述べていただくべき中小企業の経営者がいないことが気になります。

労働者の立場としては、ナショナルセンターの新谷氏に期待をしたいです。労働者と民法って関係ない? いやあ、この民法債権法改正はすごく関係をします。新谷氏は、かの有名な電機連合出身です(なのでインテリ)が、中小企業の労働者の立場も考えて、日本のナショナルセンターとしての見識をもった立論を期待したいです。

消費者団体が1名は少し寂しいです。債権法改正の大問題として消費者契約法との統合が提起されています。消費者団体の人はもう少し多くて良いのではと思います。法務大臣って、消費者庁のことは考えないのかなあ。

個人的には、民法改正が、労働契約法の抜本的改正の起爆剤になって欲しいという気持ちはあります。連合の新谷氏、労働法学者の山川教授が入ったことで、踏み込んだ議論になるのではないかと期待しています。

<超・蛇足>

でも内田貴先生、鎌田薫教授が委員なのね。法務省も、結構、露骨というか。・・・官僚的らしからぬ開き直りかしら。でも、法務省って強面なのかもね。

私は、司法制度改革審議とか、労政審は経験がありますけど、伝統ある「法制審」ってはじめてフォローします。これから興味深く追跡していきたいと思います。

私は、国民に分かりやすく、現代に対応した民法改正は是非すべきという立場です。ただ、現行法との連続性(法的安定性)を重視しつつ、市民社会の紛争にあたって、実効性のある法規範を確立する(法の支配)ための民法改正なら良いなあと思っています。

「別に、今、困っていないから債権法改正は必要がない」という発想には立ちません。より良い方向に一歩(半歩であっても)前進する良いチャンスなのだと思っています。あとは、改正の中味次第です。

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