リゾートソリューション(旧エタニットパイプ) アスベスト訴訟解決
リゾートソリューション株式会社(旧エタニットパイプ)の高松工場で働いた労働者とその家族のアスベスト被害の損害賠償請求事件について、控訴期限の9月28日、解決の合意をしました。双方とも控訴をしないでの解決です。
会社は、高松地裁の判決を真摯に受け止め社会的責任を認め原告ら全員に謝罪をし、和解金(約5億4200万円)を原告らに全員に一括して支払うという内容です。
時事通信記事
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009092900996
読売新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news/20090929-OYT8T01337.htm
現在の裁判所の損害賠償の水準を踏まえた解決になったと思います。
高松地裁判決は、時効対象となった2名の原告について、会社の時効援用は権利の濫用だとして、時効消滅を排斥して、原告を救済した点では高く評価できます。
ただ、昭和33年以前に退職した労働者については石綿肺の予見可能性がなかったとして、また家族原告らについては、工場からの飛散した石綿粉じんによる健康被害の可能性は否定しがたいといいながら、具体的ば曝露の実態が証拠上明らかにでないとして請求棄却した点は、原告らにとっては当然、不満でした。
しかし、控訴審で争うと、さらに訴訟が長引くことになり、高齢となった原告らの救済が遅れることになります。早期解決を優先しての解決です。1審判決直後に合意による解決ができて、ほんとうに良かったと思います。
原告団・弁護団声明
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