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2009年5月11日 (月)

読書日記「共生経済が始まる」 内橋克人著 朝日新聞社

内橋克人氏の新著作です。市場主義市場主義を早くから批判してきたジャーナリストです。規制緩和という悪夢、悪魔のサイクルなど、10数年前からの批判を続けてきました。

http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2006/10/post_0ef8.html

■いざなぎ超えの好景気で太ったのはグローバルズだけ

グローバルズは、日本型多国籍企業のことです。

今では、トヨタ自動車が内部留保(利益剰余金)約12兆4100億円、キャノン約2丁9000億円、ソニー約2丁6000億円など見事なまでの巨資を有しています(いずれも08年)。また、グローバルズの海外現地法人の内部留保として積み上げた残高は17兆2000億円以上(06年度)。日本国内に還流させず、海外に滞留させたままの資金がまた巨額にのぼっている姿に驚かされます。

好調とされた景気のさなか、輸出は年率平均で11.4%も伸び続けましたが、国内の個人消費はわずか1.5%の伸びにとどまり、雇用者報酬(賃金と企業内福祉の合計)にいたっては逆にマイナス0.3%に終わった。雇用者報酬の減少は総額で2兆円にも達しているのです。

一言で言えば、「いざなぎ超え」景気で太ったのはグローバルズだけ。ローカルズも家計もともにやせ細った。

■二重構造

一人当たりの人件費にみますと、大企業とそれ以外で次のようにあまりに大きな格差が生まれています。一人当たりの人件費(年間平均)でみなすと、こうなっています。

大企業(資本金10億円以上)-740万円
中小企業(1000万円~1億円)-380万円
零細企業(1000万円以下)-280万円
(2003年度「法人企業統計年報」)

軽視できないのは、中小零細企業の従業員が全体の72%以上も占めていることです。

■共生経済とは?

著者が提言するFEC自給圏は、フーズ、エナジー、ケアを形成する考え方です。地域(ローカル)に根ざした浪費亡き成長をです。あまりに理想主義的に思えます。「菜の花」経済圏などの「匍匐前進」の地域共生経済に期待をかけています。

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