ノ・ムヒョン弁護士の死と「民弁」
■民主社会のための弁護士会(韓国)
ノ・ムヒョン氏は、韓国の民弁(民主的な社会のための弁護士会)のメンバーです。日本で言えば、自由法曹団、あるいは労働弁護団という感じだと思います。
「民弁」をはじめて知ったのは、15年ほど前でしょうか。労働弁護団の故藤本正弁護士が韓国に訪問して、労働争議を支援する弁護士団体があると興奮気味にお話しをされたのを聞いたときです。
当時は、韓国政府は労働組合を弾圧していた。韓国の労働法は、一つの企業の中でも、A工場の組合がB工場の組合の争議を支援すると刑罰を課されるということでした。
韓国の争議に対する刑事弾圧に民弁の弁護士が弁護に奔走していることを藤本先生から聞いたものです。
ドイツで言うと、IGメタルの顧問弁護士みたいな感じでしょうね。ドイツに行ったとき、IGメタルに訪問したとき、通訳してもらったドイツ留学していた労働省関係の方が、「ドイツでIGメタルって、日本でいうと赤旗っていう感じの左翼です」って言っていました。
■それから、ノ・ムヒョン大統領
しかし、それから15年経過した2008年に韓国を訪問したとき、「民弁」の弁護士はソウル弁護士会の会長になったと聞きました。まったくメジャーの団体になっていました。
ノ・ムヒョン弁護士は、高卒だそうです。独学・苦学して、日本と同じように「現代の科挙」と言われる「司法試験」に合格し、しかも、「ブル弁」や「町弁」になるのではなく、「民弁」に参加した労働弁護士です。そのような弁護士が大統領になった聞いて、時代は変わると感銘を受けました。ちょうど、オバマ大統領の誕生と同じような印象でした。
そのノ・ムヒョン前大統領が非業の死。
妻や家族が大金をもらっていたことは事実のようです。
ノ・ムヒョン氏がそれを大統領当時、知っていたいのか否かが、韓国の法廷で争われることが予想されていました。そんな中の自殺・・・・。何があったかは、すべて藪の中です。
ノ・ムヒョン大統領誕生のニュースを聞いて感銘を受けた私としては、ノ・ムヒョン氏の無念を想い、彼の冥福を祈りたいと思います。
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