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2009年4月30日 (木)

「教育は子どもたちのために」4.25集会(2) 藤田英典教授

(続き)

国際基督教大学の藤田英典教授(教育学)のお話しで興味深かったのは次の2点です。

■「ゆとり教育の変質」と学校週二日制

1980年から始まった「ゆとり教育」は、1992年の学校週五日制の導入を契機として変質した。労働時間短縮を正当化のために、「ゆとり教育」の「新しい学力観、学習観、評価観」が活用される。その結果、「短い時間と少ない努力で力がつく」と主張することになる。塾に行かない、「学校でしか勉強しない、できない子どもたち」が軽視・放置される。

学校週休二日制について、こういう捉え方もあるのか、と思いました。以前、高校時代で教師をしている有人に学校週休二日制導入について疑問を呈したら、「労働弁護士のお前までそんなことを言うのか」と批判されたことを思い出しました。

今の小学生の半数は、学校以外に勉強しないという時代だそうです。そういう現状に週休二日制とすると、教育格差が広がるのは間違いないということでしょうね。

対策としては、学校の週休二日制をもとにもどすということなのでしょうか?

■習熟度別学習

全国学力テストの結果を見ると、習熟度別学習の成果は確認できないと言います。

他方で、日本とフィンランドのPISAの試験結果を比較すると、日本では、読解力についてレベル1という低学力層が2000年と2003年と比較すると10%から19%と倍増している。フィンランドは6.9%から5.7%と減少している。

数学の高学力層であるレベル6は、日本は2003年の8.2%から2006年の4.8%と半減してしまった。ふぃんらんどは、6.7%と6.3%と変化はほとんどない。

フィンランドは、日本より高学力層は多く、レベルは高いし、低学力層は少ない。それはなぜか?

フィンランドは、1980年代半ばから、習熟度別学習の廃止と少人数のきめ細かな指導を実施をしてきた。

習熟度別学習は、学力差を固定化するだけ。それよりも必要なのは、少人数のきめ細かな指導だ。

ちょうど、翌日の朝日新聞4月26日の朝刊で、文部省の調査では、「習熟度別少人数授業」についての調査でも、導入しさえすれば効果が出るものではないとの指摘が報道されていました。

教育って、教師も、親も、子供らもなかなか大変です。

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