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2009年1月12日 (月)

普通に、おかしいって思うのですけど

前回のブログ「誰が『痛みをわかつべき』なのか」にて、、「資本家階級」こそ痛みを分かちあうべき人たちだと書きました。これを小倉秀夫弁護士に引用( http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2009/01/post-ea60.html )していただいたところ、小倉弁護士に対して、経済学者や匿名の方々からいろいろなコメントが寄せられています。

で、私は、経済学のことはまったくわかりませんが、ちょっと何も言わないのも申し訳ないので、少しこわごわコメントします。何しろ、近代経済学の教科書を通読したことはありません。しかも、私らの大学法学部教養課程の経済原論はマルクス主義経済学でしたし・・・(と、先に逃げを打っておきます)。

とはいえ、ごく普通の国民が次のデータを見ると、おかしいと思うんじゃないのか、と思うのです。

■国内総生産の配分

前回のブログでも引用しましたが、政府統計を見ると、この7年間の国内総生産等の実額の推移は次のとおりです。

年度

2000 2005 2007

国内総生産

504.1 503.2 515.9   

国民所得

371.8 365.9 374.8   

雇用者報酬

271.3 259.6 265.7   

民間法人企業所得

44.4 46.8 49.3   

役員報酬

0.8 1.5    -

配当金

4.8 12.5 14.0   

内部留保

2.7 9.1 11.3   

(単位・兆円)

国内総生産は10兆円増加している(生産はあがっている)。国民所得も3兆円増加した(所得も増加した)。でも、雇用者報酬は5兆円減少し、他方で、役員賞与は7000億円増加し、株主への配当は10兆円近く増加している。企業の内部留保も9兆円増加している。

つまり、生産が増加し、所得が増えたけど、それをもらったのは企業サイドや大株主ということですね。(これって普通そう思うしかない)

他方で、不景気となれば、非正規労働者の雇用が打ち切られ、雇用流動化を進めた結果、雇用保険などの社会保障も受けられない人々が激増しているわけです。(なお、株主も株価が下がって大ソンですが、株価があがったときには大もうけしているのですから、それこそ「自己責任」でっしゃろ。)

この事態は、改善すべき社会的課題だと思うのです。まあ、そう思わない人々が少なからずいるのも日本の現実なのですね。

西ヨーロッパでは社会問題だと捉えて、なんだかんだいっても福祉国家を築き上げてきた。アメリカ合衆国でも、政治が解決すべき課題だと人々が認識したのので、オバマ新大統領が当選したと言えるのではないでしょうか。

■労働分配率って何だか詳しいことは知りませんが・・・

でも、労働分配率は日本は高止まりだとの指摘もあるようです。他方で、労働分配率については、三菱総合研究所の後藤康雄氏が次のような点を指摘されています。

http://www.mri.co.jp/COLUMN/ASPECT/GOTO/20070201GY.html

Gotou20070201gy_02

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後藤氏の指摘のように、固定資本減耗率を含めると労働分配率は上記の下側のグラフのように減少しているとのことです。どっちが経済の実態を反映したものかは、私には判断はつきかねます。

実額ベースの統計から、「家計サイド」(「労働者階級」って言い換えても良い)の取り分が減少し、「企業経営者」と「大株主」ら(「資本家階級」って言い換えても良い)が大幅に取り分を得ているとの判断が誤りとは言えないと思えます。

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