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2008年10月25日 (土)

弁護人中傷による自白採取手法

■神奈川 競争入札妨害弁護権侵害を認め、国に賠償命令-横浜地裁

 検察官が取り調べ中に「弁護過誤だ」などと告げ、弁護権を侵害されたとして、妹尾孝之弁護士(横浜弁護士会)が国に150万円の賠償を求めた訴訟で、横浜地裁は24日、10万円の支払いを命じた。宮坂昌利裁判官は「容疑者との信頼関係を破壊する言動で、弁護士の接見交通権を実質的に侵害しており違法」と指摘した。妹尾弁護士によると、取り調べ中の弁護士批判を違法としたケースは「非常に珍しい」という。

 判決によると、妹尾弁護士は06年に競売入札妨害事件で逮捕された神奈川県秦野市元課長(52)の私選弁護人。受任後に元課長が自白調書の署名拒否に転じると、横浜地検の担当副検事は「弁護士は責任とってくれないよ」「洗脳されてるんじゃないの」と述べた。

 宮坂裁判官は「ルール違反と言わざるを得ない」と批判した。

  毎日新聞 2008年10月25日 東京朝刊http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081025ddm041040051000c.html

■検察官の常套手段(伝統的な自白採取手法)

警察官や検事は、被疑者に対して、「お前の弁護士は、人権派・革新系だからやめておけ」とか、「お前の弁護士だって、お前を無罪だなんて信じていないぞ」とか、「弁護士なんて金儲けだけが目的だから気をつけろ」とか言いたい放題です。私が、弁護を担当した事件での実際です。私の場合には、さらに「お前の弁護士は日共系だ」なんてものもあります。まあ、私のブログも、「お前は日共系だと読まれているぞっ」て、連合系の弁護士から言われるくらいです(何でそんなことわざわざ言いにくるのでしょうかねえ、こういう人たちは)。「だから何だ!」って言うのも大人げないので、「ハア。ソウデスカ。スミマセン」と謝っちゃいますけど。

もっとも、警察・検察なんて、その程度の連中だと思い裁判までやとうとも思いませんでした。(カスを相手に裁判するだけ労力の無駄)。ですから、横浜の妹尾弁護士の大いなる努力と成果に拍手を送ります。

弁護士が相手方当事者に対して、直接に「お前の弁護士の方針が間違っている」「マッチポンプで、お金をむしりとられているだけだ。」などと言ったら、弁護士倫理違反(弁護士基本職務規程71条、5条、52条)になります。

他方で、捜査の世界では、弁護人を非難して、被疑者と弁護人の信頼関係を破壊して、自白をむしりとるのは、捜査機関(検察官を含む)の伝統的な捜査手法です。

警察はそもそもその程度ですが、この手の検察官は法律家としての資質がないと言うべきですね。

とはいえ、岡山の弁護士(学者→副検事→検事を経験し、司法試験も受けず、司法修習もしていない「ヤメ検」です)が、国選の接見回数を水増しして実際よりも多くの国選料を取得していたという事件が発覚しました。残念ながら、弁護士にも、とんでもない人がいます・・・。

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