« 映画「靖国YASUKUNI」の日弁連、東京三会の試写会 | トップページ | 憲法と貧困/新自由主義経済と雇用の崩壊・森永卓郎氏 講演会 »

2008年4月27日 (日)

松下PDP事件 全面勝訴!-大阪高裁が地位確認請求を認容 

大阪高裁は、「松下PDP事件」において、松下PDPにて偽装請負として働いていた労働者(吉岡力さん)と松下PDOとの間に直接の労働契約が締結されていたことを認めました。画期的な判決です。

まだ、判決文も要旨も入手していませんが、主任の村田浩治弁護士(大阪)が代表をつとめる「大阪派遣・請負センター」(http://haken-ukeoi.net/intro.html)にも、当事者のブログにも、まだアップされていません。(http://blog.livedoor.jp/fmwwewwmf/archives/51149345.html

朝日新聞(2008年4月26日朝刊)の報道

判決はまず、請負会社の社員だった吉岡さんらの労働実態について「松下側の従業員の指揮命令を受けていた」などと認定。吉岡さんを雇っていた請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は「脱法的な労働者供給契約」であり、職業安定法や労働基準法に違反して無効だと判断した。

 そのうえで、労働契約は当事者間の「黙示の合意」でも成立すると指摘。吉岡さんの場合、04年1月以降、「期間2カ月」「更新あり」「時給1350円」などの条件で松下側に労働力を提供し、松下側と使用従属関係にあったとして、双方の間には「黙示の労働契約の成立が認められる」と認定した。この結果、吉岡さんはこの工場で働き始めた当初から直接雇用の関係にあったと結論づけた。

この報道によると、

1 吉岡さんが請負労働者として、松下PDPで働き始めた時点から、松下PDPと吉岡さんとの間に期間2ヶ月の直接・有期の労働契約が締結していた。

2 松下PDPは請負会社との間で業務委託契約を締結し、請負会社は吉岡さんを松下PDPの工場にて働かせていた。この業務委託契約を職安法や労基法違反で無効とした。

ところで、請負会社と吉岡さんの間では「労働契約」が締結されていたはずです。こっちの「労働契約」はどうなるのでしょうか。上記の業務委託契約が職安法等で違法無効なら、その「労働契約」も違法無効なのでしょうね。早く、判決文を読みたいところです。

この高裁判決の論理でいくと、日本の多くの偽装請負労働者は、従事している企業との間の直接雇用労働者ということになります。

日本の労使関係に大きな影響を及ぼす判決です。大阪の労働者と労働組合、サポートしてきた労働弁護士や学者らの大きな成果です。

村田浩治弁護士は、今年1月24日の日弁連サテライト研修(非正規雇用を巡る諸問題)にてパネリストとして出席していただきました。そのときにも、この事件に触れた話をしてもらいました。おめでとうございます。

最高裁でも大阪高裁判決を維持するために頑張ってください。東京でも、多くの労働組合と労働弁護団が全面的に支援すると思います。

|
|

« 映画「靖国YASUKUNI」の日弁連、東京三会の試写会 | トップページ | 憲法と貧困/新自由主義経済と雇用の崩壊・森永卓郎氏 講演会 »

労働法」カテゴリの記事

コメント

村田です。日弁連ではお世話になりました。
ご紹介のとおり、請負会社と労働者の契約は、労働契約ではなく、労働者供給をするという無名契約であって民法90条の公序良俗違反で無効で、一方、労働契約の意思の合致は客観的な指揮命令関係、労務提供、賃金の支払いの実態があるのは、松下と控訴人の間にあったという判断です。
 書証で提出した関西大学の川口美貴先生の鑑定意見書が季刊労働者の権利の2月発行分に掲載されています。是非ご覧下さい。
 判決文をまたお送りしますね。

投稿: 村田浩治 | 2008年4月27日 (日) 12時49分

村田先生。季刊「労働者の権利」に川口美貴先生の意見が掲載されていたのですね。早速、読んでみます。実は、私も新国立劇場の地位確認訴訟でも、川口先生に意見書をお願いしています。


投稿: 水口 | 2008年4月29日 (火) 00時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104432/41008971

この記事へのトラックバック一覧です: 松下PDP事件 全面勝訴!-大阪高裁が地位確認請求を認容 :

» 偽装請負という名の爆弾は2度破裂する [企業法務マンサバイバル]
朝日、読売、日経と各紙に取り上げられた、松下プラズマディスプレイにおける従業員の地位確認訴訟判決。 私は、この判決の意義を、偽装請負社員の直接雇用責任を改めて認めたことよりも、偽装請負状態の解消手段としての安易な有期雇用契約への切り替えが、さらなる企....... [続きを読む]

受信: 2008年4月27日 (日) 19時19分

» 「お施主様向けの依頼書を作って」 [派遣の星]
313 名無しさん@そうだ登録へいこう New! 2007/05/24(木) 20:08:34 ID:8JP35oMbO契約社員のふかさわ〇〇〇が非常に腹立たしい女だよ。 今日、出先の営業から、「お施主様向けの依頼書を作って」と言われたから作ってたのだが、そのまえにすでにふかさわが作っていた。 営業の伝達ミスなのかは不明だが、その件でふかさわとわたしが大喧嘩をしてしまい、結果、わたしが契約更新をしないと言う条件で治ま�... [続きを読む]

受信: 2008年4月28日 (月) 11時15分

« 映画「靖国YASUKUNI」の日弁連、東京三会の試写会 | トップページ | 憲法と貧困/新自由主義経済と雇用の崩壊・森永卓郎氏 講演会 »