松下PDP事件 全面勝訴!-大阪高裁が地位確認請求を認容
大阪高裁は、「松下PDP事件」において、松下PDPにて偽装請負として働いていた労働者(吉岡力さん)と松下PDOとの間に直接の労働契約が締結されていたことを認めました。画期的な判決です。
まだ、判決文も要旨も入手していませんが、主任の村田浩治弁護士(大阪)が代表をつとめる「大阪派遣・請負センター」(http://haken-ukeoi.net/intro.html)にも、当事者のブログにも、まだアップされていません。(http://blog.livedoor.jp/fmwwewwmf/archives/51149345.html)
朝日新聞(2008年4月26日朝刊)の報道
判決はまず、請負会社の社員だった吉岡さんらの労働実態について「松下側の従業員の指揮命令を受けていた」などと認定。吉岡さんを雇っていた請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は「脱法的な労働者供給契約」であり、職業安定法や労働基準法に違反して無効だと判断した。
そのうえで、労働契約は当事者間の「黙示の合意」でも成立すると指摘。吉岡さんの場合、04年1月以降、「期間2カ月」「更新あり」「時給1350円」などの条件で松下側に労働力を提供し、松下側と使用従属関係にあったとして、双方の間には「黙示の労働契約の成立が認められる」と認定した。この結果、吉岡さんはこの工場で働き始めた当初から直接雇用の関係にあったと結論づけた。
この報道によると、
1 吉岡さんが請負労働者として、松下PDPで働き始めた時点から、松下PDPと吉岡さんとの間に期間2ヶ月の直接・有期の労働契約が締結していた。
2 松下PDPは請負会社との間で業務委託契約を締結し、請負会社は吉岡さんを松下PDPの工場にて働かせていた。この業務委託契約を職安法や労基法違反で無効とした。
ところで、請負会社と吉岡さんの間では「労働契約」が締結されていたはずです。こっちの「労働契約」はどうなるのでしょうか。上記の業務委託契約が職安法等で違法無効なら、その「労働契約」も違法無効なのでしょうね。早く、判決文を読みたいところです。
この高裁判決の論理でいくと、日本の多くの偽装請負労働者は、従事している企業との間の直接雇用労働者ということになります。
日本の労使関係に大きな影響を及ぼす判決です。大阪の労働者と労働組合、サポートしてきた労働弁護士や学者らの大きな成果です。
村田浩治弁護士は、今年1月24日の日弁連サテライト研修(非正規雇用を巡る諸問題)にてパネリストとして出席していただきました。そのときにも、この事件に触れた話をしてもらいました。おめでとうございます。
最高裁でも大阪高裁判決を維持するために頑張ってください。東京でも、多くの労働組合と労働弁護団が全面的に支援すると思います。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (2)
最近のコメント