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2008年3月16日 (日)

歌わせたい男たち

■紀伊国屋ホールで、「永井愛」脚本の「歌わせたい男たち」を観劇してきました。

http://www.nitosha.net/stage/index.htm

初演はチケットが入手できず見逃しました。今年、再演中です。うちの事務所の連中と、「日の君」弁護団の仲間。そして、妻と子供らと観に行きました。

○生徒が卒業式・入学式の「国歌斉唱!」時に起立しないと、担任教師や校長らが自ら起立していても都教委から「厳重注意」を受ける。

○生徒会で国旗国歌問題を議論すると校長や生徒会担当教職員から不適切指導ではないかと都教委の取調(事情聴取)を受けて厳重注意を受ける。

○卒業式の前に、生徒に憲法19条にふれて「内心の自由」を説明することを禁止する都教委の通達。

○クリスチャン一家や、在日コリアンの生徒や保護者が「国歌=君が代」斉唱は歌えないと式への参加を辞退する。

○青年教師のころは、「日の丸・君が代」の強制を反対していた教師が、校長になってからは、あれは間違いだったとして手のひらを返したように都教委の指示に唯々諾々と従う姿。

○「内心と切り離して起立して歌うこともできる。嫌だと思っても、そういう選択をするのが一般的だ。」述べる裁判所の判決。

などなど本当にある現実を描いて笑いと涙のコメディにしています。サヨクの押しつけがましい「君が代」反対論のウザッタさも描いています。何よりも告発調でなく、悲壮感がないのが良い。

■戸田恵子のオーラと配役の妙味

何よりも、戸田惠子が素晴らしい。私は、前から4列目の席でしたが、生身の女優の「オーラ」を感じました。こういう臨場感は映画では得られません。演劇の醍醐味なんでしょうね。やみつきになりそうです。

東京都「君が代」騒動の人間のドタバタのすべてが描かれているように思います。

・ゴチゴチの左翼の「正義の人」にふりまわされるノンポリの音楽教師。

・日本人の誇りこそ大切だと心底信じて都教委の方針を実践する「熱血」青年教師。それに共鳴する生徒たちや女性教師。

・優柔不断で自己保身の固まりの校長。-でも、それが私やあなたの日本人の姿。

そして、ラストが素晴らしいのです(ネタバレになるので書けません)。

■教師が理想を語らなければ誰が理想を語るのか

最高裁のピアノ伴奏拒否事件判決(思想・良心の理由から国歌「君が代」を伴奏できないとする音楽教師に対する校長のピアノ伴奏命令は適法とした)が出た後、原告の皆さんに裁判官の思考ってどういうものかと質問されたので、次のように解説しました。

「世の中、思うようにならないことは多々ある。嫌なことをこなしていくのが大人だ。40秒我慢すればすむことだ。生徒にそういうルールを教えるのが教師の仕事であり学校なんだ」と裁判官は考えているのです。裁判官なんてその程度のものなんです。日本の最高裁は「人権の最後の砦」ではなく、「秩序維持の最後の砦」なんです。その手の連中しか裁判官にはならないのが日本なんです。

これを聞いて、再雇用合格を取り消された原告である先生は次のように反論されました。

親も裁判所も、社会はみんなそう言うのでしょう。それは判っています。でも、教師が「内心の自由」や「理想」を語らなくて、誰が生徒たちに「理想」を語るのでしょうか。
だから、教師である僕は起立しなかったのです。

こんな教師を「反日教師」、「青臭いサヨク教師」として学校から排除する社会。それが日本なんですな。

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