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2008年1月 2日 (水)

謹賀新年 そして短い回顧

2007年は,ワーキングプアと格差社会,そして貧困が社会的に注目されるようになりました。

一過性のマスコミのブームでなく,具体的な政策変更と制度改革を実現する流れになるのか。総選挙がある2008年が大きな節目になるでしょう。

今年も,最低週1回のブログ更新を目標にしています。本年もよろしくお願いします。

■短い回顧

私が弁護士になった1986年は円高不況の影響で,重厚長大企業の中高年ブルーカラーへの大量退職強要の時代でした。当時,総評弁護団の新人弁護士研修会に参加したところ,故・藤本正弁護士が「政府・資本は不安定雇用を労働者の3分の1とすることを政策目標としている」と喝破されていました。

その後,バブル経済期,1989年に総評が解散し,連合がナショナルセンターの中心となります。左派には全労連ができます。連合は,当初の一時期は,大企業労組の代表部として,政府・企業との蜜月時代を過ごしました。いよいよ労働運動は弱体化します。

バブル経済崩壊後,1993年には大量リストラ。連合や全労連などの労働運動はこれに有効な対応がまったくできませんでした。

大争議は消えて,労基法規制緩和,派遣法規制緩和などの労働法制に関する攻防が中心になります。しかし,広く国民的・社会的な注目を得ることはありませんでした。ただ,この間,連合本部は,大企業労組の代表部から,真のナショナルセンターとして徐々に変化していったように見えます。

1990年代半ばから,規制改革が推し進められ,新自由主義思想(市場原理主義)が社会の主流の考えとなり,「既存の労働法制は正社員の既得権をまもるだけで,若者の雇用と生活を犠牲にしている」などという言説が影響力を持ち始めます。そして,失われた自尊心を補填するかのように,国家主義的な思想と言説が力を得てくる。横の「連帯」でなく,「公への帰依」に救いを求める(要するに,「寄らば大樹の陰」)という極めて日本的な心理が蔓延します。

このように,労働運動は,「長い失われた時代」を経て,2007年を迎えたというわけです。

2007年は,<ワーキング・プア,不安定雇用,貧困>が社会問題として噴出しました。これが,一過性のマスコミの話題として,「消費」されるのではなく,社会を変えるエネルギーになるかどうかが,2008年に問われるのでしょう。

既存の労働組合(連合も全労連も)が「非組合員である国民の信頼」を獲得する最後のチャンスなのでしょう。また,多くの青年らのユニオンが若者自らの新しい労働運動として成長していくのか,2008年注目したいと思います。

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コメント

 先生が言われるとおり、今年が、労働運動を立て直す最後のチャンスのような気がしております。
 今後の労働運動を見守りつつ、自分ができることがあれば、関わっていきたいと思います。

投稿: 竜の子 | 2008年1月13日 (日) 10時59分

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