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2007年10月20日 (土)

民主党の労働契約法を読む(3)-約定変更権

■約定変更権

民主党法案には約定変更権が定められています。

(約定変更権の行使の制限)
第23条
 使用者が,労働契約又は労働協約,就業規則その他これらに準ずるもので定めるところにより,労働契約を変更する権利を留保した場合においては,当該権利の行使は,次の各号に掲げる要件のいずれにも該当しているときにのみ,効力を生ずる。
1 当該権利の行使の必要性があること。
2 変更された労働契約の内容が合理的なものであること。
3 使用者が労働者と誠実に協議を行ったこと。

現行法には約定留保権に関する定めは何もありません。ですから,使用者が労働契約を変更する権利を留保することは,契約自由の観点から有効とされています。しかし,他方で,労働基準法2条1項の「労働条件の対等決定の原則」からして無制限には許容されないでしょう。
現行法では,約定留保権は,判例における人事権濫用の法理で規制されることになるでしょう。

民主党法案が,「就業規則」によって労働契約変更権の留保が認めている点は大きな問題です。

第24条で労働契約変更請求権を認める以上,このような約定変更権は原則として禁止しなければならないと思います。

■連合試案では,約定留保権を原則無効

連合試案は,民主党法案と異なり次のように定めていました。

(約定変更権の制限)
第40条
 契約の内容を変更する権限を使用者が留保する約定は,無効とする。ただし,賃金,労働時間その他労咳契約の重要な要素にあたらない契約内容については,右権限を留保することが業務上必要不可欠で,かつ合理的範囲内である場合は,この限りでない。

2 前項ただし書に定める約定変更権を行使する場合には,使用者は,変更権の根拠,変更内容及び変更の必要性を書面で明示のうえ,労働者の了解が得られるよう協議を尽くさなければならない。約定変更権の行使が,留保の趣旨に反し必要性及び合理性を欠く場合並びに前段の手続に反する場合は,無効とする。

連合試案の方がベターですね。

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