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2007年10月23日 (火)

10月22日 労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会

■トンネルじん肺の「合意書」の実行に向けて

6月18日のトンネルじん肺の合意書に,粉じん障害防止規則の改正が明記されています。厚労省とは,この間,自民党じん肺議連の会長の逢沢議員,萩原議員,北村議員,公明党じん肺プロジェクトチームの座長の漆原議員の立ち会いで,厚労省,国交省等とのラウンドテーブルを2回,開催してきました。

■労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会

厚労大臣は,粉じん則の改正にあたって労政審に諮問を行いました。10月22日にはそのじん肺部会に,原告を代表して原告団団長の船山さんが参考人として意見を陳述しました。

 私は新潟からまいりましたトンネルじん肺根絶原告団長の船山です。このような発言の機会を与えていただき、大変ありがとうございます。

 私は、昭和29年、20歳のときから、トンネル掘さく工事で働き始めました。それから平成2年に離職するまで36年間、全国各地の鉄道や道路、ダム、水路のトンネルをつくってきました。やりがいのある仕事だと誇りに思ってきました。しかし、その結果、昭和62年、54歳のときにじん肺管理3イの続発性気管支炎と認定されました。現在3のロに進行しています。

 じん肺防止のための政策を議論される労働政策審議会じん肺部会の皆さまにお話をさせていただく機会を、やっと設けていただくことができました。私は、この10年にわたるトンネルじん肺訴訟を闘ってきた全ての原告・家族を代表して発言させていただきます。

 私のお願いは、ただひとつ、トンネルじん肺を二度と出さないための対策をきっちり確立していただきたいということです。

東京地裁判決で勝訴した後,原告団・弁護団は,全面解決の要請書を,厚労省に送付して各委員にお渡し下さいと要請しました。ところが,厚労省の事務方は,「その必要はない」と拒否されました。政府との合意書を締結することで,やっと,被災者の要望を述べることができたのです。

これは考えてみれば,おかしな話しです。労政審の他の部会(労働条件分科会など)は,諸団体の文書は各委員に配布してくれていました。安全衛生分科会だけが,極めて頑なな対応でした。

労政審じん肺部会に次の「粉じん則の改正要綱」が諮問されました。
   ↓
「funzinsokukaiseiyoukou.pdf」をダウンロード

■原告団長の要請

上記の粉じん則について船山団長は次のように注文を付けました。

 今回示される省令に、役人が言いのがれのできないような、またゼネコンがきっちり守って実行するような具体的な中身をはっきり書いてほしいということです。

 ① 一つめは、要綱案三項の「ずい道の長さが短いこと等により、空気中の粉じんの濃度の測定が著しく困難である場合を除き」とは具体的に何メートルのことを言うのでしょうか。はっきりしないのでは、本当に守られるのでしょうか。

 ② 二つめは、要綱案四項には「粉じん濃度の測定結果に応じて」と書かれていますが、具体的にはどのような粉じん濃度が出たら対策をとるということになるのでしょうか。

 ③ 三つめは、要綱案五項の「発破による粉じんが適当に薄められた」と改定在りますが、適当に薄められたというのはどういうことなのでしょうか。どうやってそれが判るのでしょうか。

  また、ずり積みや発破の後の散水もさせるようにできないでしょうか。

 このような定めを、さらに具体的に定めるようお願いしたいと思います。

■労働者委員の注文

全港湾の町田委員も次のように述べました。

○町田労働者委員(全港湾)
   粉じん則要綱案は抽象的すぎる。いくつか質もしたい。粉じん測定が困難な例は短いトンネル以外にあるのか。粉じん濃度測定の基準は何か。発破待避時間が具体的でない、目で見て判断するのは無理。喫煙歴を記入するのはおかしい。 労働時間・粉じん作業時間の短縮をはかる必要性があるのではないか。じん肺健康診断の渡り坑夫の健康管理の対策を進めるべき。

■使用者委員の注文

前田建設工業の川嶋委員は次のように注文していました。

○川島使用者委員(前田建設工業)
   ガイドラインは7年経過して定着したという認識。改正には異論はない。ただし、小断面の導水路などでは困難であることも留意してほしい。
   また、費用がかかっているが、積算基準に反映されていない地方もある。厚労省から国交省に積算基準に盛り込むように指導してほしい。

やはり,積算基準は重要なのですね。
次の課題は,作業時間に関して,労基法32条の趣旨を踏まえた積算基準の見直しです。

■厚労省官僚は最後まで意地を張る 

厚労省の説明では,判決で敗訴したことや,合意書はまったく触れません。合意書を委員に配布することすらしていません。
あたかも訴訟とは全く関係がないかのようです。

調査報告書が平成19年7月に報告されたので,それに従い独自に省令改正をはかったかのように体裁がとられています。

敗訴や政府合意書で省令を改正したとは,絶対認めたくないのでしょうね。
でも,それは極めて不自然で,何だか,「裸の王様」って感じですな。

つまり,よっぽど悔しかった,ということでしょうね。

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