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2007年9月30日 (日)

犯罪報道の在り方

裁判員制度の導入を迎えて,最高参事官がマスコミの犯罪報道の在り方について配慮を要請しました。

事件報道に配慮を 最高裁参事官要請 マスコミ倫理懇(朝日新聞)http://www.asahi.com/national/update/0927/TKY200709270661.html

裁判員制度下での事件報道などをテーマにした、報道各社の「マスコミ倫理懇談会全国協議会」全国大会が27日、福井市で始まり、講演した最高裁刑事局の平木正洋総括参事官は、裁判員に「容疑者は犯人だ」という予断を与える報道をしないよう配慮を求めた。

 平木氏は、裁判員の選任などの制度設計を担当。「裁判官である一個人としての発言」としたうえで、「報道された事実と、裁判で証明された事実を区別するのは一般市民である裁判員には難しい」との見方を示し、現状の事件報道のあり方に懸念を示した。

 平木氏が具体的に問題があるとしたのは、▽容疑者が自白していることやその内容容疑者の弁解の不合理性を指摘すること犯人かどうかにかかわる状況証拠前科・前歴容疑者の生い立ちなど事件に関する有識者のコメント――の6項目。これらを報道することについて、裁判員に対し、容疑者が犯人だという予断を与える可能性があるとして、「公正な裁判のためには一定の配慮が必要だ」と述べた。

マスコミの有罪を前提とした犯罪報道は目に余ります。なお,朝日新聞は報道していませんが,東京新聞の報道http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007092802052145.htmlでは,平木氏は,「有罪前提とした報道を問題にした」と報道されています。

冒頭「最高裁としての考えではなく個人的な意見」と断った上、懸念する事件報道として自白など三点のほか(1)捜査機関から得た情報を確定した事実のように伝える記事(2)容疑者の弁解の不合理性を指摘する記事(3)捜査機関側の証拠を報じる記事(4)有罪前提の有識者コメント-を挙げた。

いずれも「容疑者が犯人という強い予断を与える危険性がある。公正な裁判であるためには、予断や偏見の排除が必要」と訴えた。

朝日新聞は,ぼかして(意図的な?)報道しており,極めて不誠実な報道だと思います。東京新聞の記者は良いバランス感覚をもっていると思います。

裁判員制度が導入される以上,マスコミが自主的に是正できな場合には法的規制をする必要があると思います。(アホウなTVワイドショーとアホウな弁護士コメンテーターを見ているとマスコミの自主的ルールによる改善は不可能に思えます。朝日新聞の不誠実な報道ぶりを見ても是正は無理なのかと思います。)

裁判になってからは公開の法廷で,被告人の言い分もだされた上で,審理されます。その段階で報道すれば良いことで,逮捕起訴前の段階で,報道する必要性はまったくないと思います。(実名の被疑者逮捕が一刻も早く報道すべき事項とは思えません)

マスコミの下記の批判は,現状のような被疑者・被告人を有罪前提としたむちゃくちゃな犯罪報道がある以上,まったく説得力を持たないと思います。当局の捜査のチェックをマスコミがする利益(小)よりも,有罪を前提とする報道の害悪(大)の方が大きいことは間違いないでしょうね。

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コメント

平木氏の指摘はまったく正当ですね。裁判員制度が始まったら、「マスコミ報道による予断」がきわめて深刻な問題になりますね。

投稿: 地獄修習生 | 2007年10月 5日 (金) 14時33分

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