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2007年6月16日 (土)

【予告】6月20日 君が代強制「解雇」事件判決

■6月20日 午後1:15 東京地裁で君が代解雇事件の判決が言い渡されます。

昨年9月21日,予防訴訟(国歌斉唱義務等不存在確認訴訟)では,東京地裁民事36部(難波孝一裁判長)は違憲判決を言い渡しました。

その後,今年,2007年2月27日,最高裁第三小法廷はピアノ伴奏拒否戒告事件で「君が代」のピアノ伴奏を拒否した音楽教師の懲戒処分を合憲・適法としました。

この最高裁の合憲判決の逆風の中,6月20日,東京地裁民事第11部(佐村浩之裁判長)はどう判断するのでしょうか。

都教委の暴走に歯止めをかけ,少数者の人権を擁護する良識ある判決を期待しています。

君が代強制解雇事件とは次のような事件です。2004年3月,都立高校で,都教委の通達に基づき校長が卒業式の「君が代」斉唱時に教職員に「国旗に向かって起立して国歌を斉唱せよ」との職務命令を発令しました(従来は,都立学校では「内心の自由」があることを説明して参加者各人の「自由」が保障されていました)。

この都教委通達及び校長の職務命令に反して,起立せず歌わなかった教師が定年後5年間の再雇用職員として合格していたにもかかわらず,不起立を理由に,その合格を取り消されたのです。そこで,教師らが「合格取消」(実質的な解雇)の違法を訴えて地位確認・損害賠償を請求した事件です。

■次に,6月6日に行った記者レク資料を掲載しておきます。興味のある方は,どうぞご覧下さい。

        東京都日の丸君が代強制解雇裁判の意義と争点
                                                                              
                                                     2007年6月6日
                            東京都「君が代」強制解雇裁判弁護団

1.事件概要

(1)10.23通達について

 本件は、東京都教育委員会(都教委)が2003年10月23日付けで全都立学校の校長らに通達を発し(10.23通達)、卒業式・入学式等において国歌斉唱時に教職員らが指定された席で壇上正面の国旗に向かって起立し、国歌を斉唱すること等を徹底するよう命じて、「日の丸・君が代」の強制を進めてきた中で起きた事件である。

 都立高校では、10.23通達以前には、国歌斉唱の際に起立するかしないか、歌うか歌わないかは各人の内心の自由に委ねられているという説明を式の前に司会者が行うなど、国歌斉唱が強制にわたらないような工夫が行われてきた。

 しかし、都教委は、10.23通達後、内心の自由の説明を一切禁止し、式次第や教職員の座席表を事前に全校から提出させ、全校長から全教職員に事前に職務命令を出させた上、式当日には複数の教育庁職員を派遣して教職員・生徒らの起立・不起立の状況を監視するなどし、全都一律に「日の丸・君が代」の強制を徹底してきた。

 (2) 不起立による解雇

 原告らは、それぞれが長年の教師としての経験・教育観や、個人としての歴史観・人生観等に基づいて、過去に軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきた歴史を背負う「日の丸・君が代」自体が受け入れがたいという思い、あるいは、思想・良心に関わる「日の丸・君が代」を学校行事を通じて一律に生徒らに対して強制することが受け入れがたいという思いを強く持っており、そうした自らの思想・良心から、校長の職務命令には従うことができなかった。

 ところが、都教委は、既に翌年度から再雇用職員または講師として勤務することが決まっていた原告ら(10名)に対し、校長の職務命令に従わず国歌斉唱時に起立しなかったことのみを理由に、「勤務成績不良」であるとして、新年度開始のわずか2日前の3月30日に、突然「合格取消し」を通告した。

 原告らは、合格取消は違憲・違法であるとして、地位確認を求めて東京地裁に提訴した(係属部:東京地裁民事11部・佐村浩之裁判長)。

(3) 本件判決の意義
 本件に関連して、昨年9月21日に東京地方裁判所民事36部(難波孝一裁判長)が、10.23通達は違憲・違法であるとする判決を出している。

 しかし、都教委は、この判決に対しては控訴をするとともに、日の丸君が代の強制を続けている。その結果、不起立を理由とする懲戒処分を受ける教員は増え続けており(今春も40人ほどが新たに処分された)、一度の不起立だけで再雇用職員に採用されないという状況も続いている。

 よって、本件判決が、9.21判決に引き続き10.23通達を違憲と判断することによって、そのような現状に歯止めをかけることが期待されている。
 また、都教委の「日の丸・君が代」強制の施策は、全国的に見ても突出しており、1度の不起立のみで教員の職自体を奪ったという例は、本件が全国でも初めてと思われる。解雇という極めて権力的な統制の手法に対し、裁判所が「やりすぎ」であるとして歯止めを掛けることができるかどうかも注目される。

2.東京都の再雇用職員と非常勤講師について

 (1) 再雇用職員制度
   1985年に東京都に60歳定年制が導入された。その代償措置として,60歳を超えた職員を再雇用職員として5年間(当初3年間)再雇用する制度が導入された。再雇用制度では,健康状態,勤務成績が良好であることが合格の要件とされているが,実際にはほぼ全員が合格して再雇用されている。都立学校の場合,平成13年度から平成15年度の間に再雇用のみを申し込んだ者のうち,不合格になった者は1311名中にわずか2名であった(不合格率0.15%)。

 (2) 非常勤講師
   都立学校では講師制度を設けており,都教委が定める順位にて講師が採用されることとなっている。

 (3) 両制度の法律関係
   再雇用職員も,非常勤講師も,地方公務員法3条3項3号に該当する特別職公務員であり,地方公務員法の適用がなく,労働基準法,労働組合法など民間の労働者と同じ法律が適用される(地方公務員法4条2項)。

■また,記者レクに配布した争点表をアップしておきます。

興味のある方はご覧下さい。

「soutenn.jtd」をダウンロード

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