「青法協」攻撃と故矢口洪一氏 憲法記念日
■憲法と裁判官
石川義夫氏(元東京高裁判事、元司法研修所教官)の著作「思い出すまま」(れんが書房新社)に、24期当時の青法協攻撃に関する内情暴露が記載されていることを知り合いの弁護士から教えてもらいました。(この本は未入手ですので,孫引きです。)
(司法修習)後期の終わりが近づいたある日、田宮上席教官と次席の私が矢口人事局長に呼出された。問題は青法協に所属する修習生が判事補任官を志望した場合、これを以下に処置するかということだった。矢口氏は田宮氏に「研修所教官の方で、疑わしい連中の試験の成績を悪くしておいてくれれば、問題は解決するじゃないか、何とか考えてくれ」と言った。要するに、青法協所属の修習生の任官を人事局の責任で拒否することをしたくないので、研修所教官の責任で拒否しようとしたのである。田宮氏は「教官にはそんなことは出来ません」と言下に断った。私はこの件について、矢口氏の名誉を慮って、今日まで他言しなかったが、目的のためには手段を選ばない矢口氏の手法を思うと、こんなことがあった、ともっと早い時期に公にすべきであたかと後悔している。(同書199頁~200頁)
裁判官ともあろう人が,また後に最高裁長官になった人が,青法協に加入したと疑いのある任官志望の司法修習生の成績評価に手を加えろと等と言うとは…。唖然とします。しかし,裁判官だから,高潔で優秀だという思いこみに対する ちょうど良い「解毒剤」ですね。。(こんなことを公にすると,いよいよ青法協に修習生が近づかなくなるかな)
■変わった裁判官たち
「解毒剤」と言えば,元横浜地裁判事の井上薫氏が「狂った裁判官」(幻冬舎新書)という本を出していましたっけ。この「井上本」は自分のことを含めて言っているのか,他者のことだけを言っているのか,ちょっと良く判りませんでした。でも,対象になる人が一人いることは「石川本」によって証明されたのかもしれません。
しかし,こういう裁判官たちが,学校での国歌国旗起立斉唱の強制と教師の思想・良心の自由という微妙な憲法問題について判断すると考えると,何だか空恐ろしくなります
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弁護士清水建夫と申します。
こちらのブログ記事を、当方のブログ記事内にて紹介させていただきました。(清水ブログ http://tateoblog.cocolog-nifty.com/blog/)
投稿: 弁護士清水建夫 | 2008年11月 3日 (月) 12時14分