戦後補償裁判の最高裁判決を読んで
■最高裁戦後補償判決
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070427134258.pdf
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070427165434.pdf
2007年4月27日の西松建設強制連行損害賠償請求事件判決(最高裁第二小法廷)及び慰安婦損害賠償請求事件判決(最高裁第一小法廷)は結論的に次のように判示しています。
日中戦争の遂行中に生じた中華人民共和国の国民の日本国又はその国民若しくは法人に対する請求権は,日中共同声明5項によって,裁判上訴求する権能を失ったというべきであり,そのような請求権に基づく裁判上の請求に対し,同項に基づく請求権放棄の抗弁が主張されたときは,当該請求は棄却を免れないこととなる。
正義の司法判断が下されることを期待しました。しかし,「厚く高い壁」に跳ね返されたように思えます。
■最高裁判決の言わんとしたこと
しかし,これでお終いというわけではないようです。最高裁判決を良く読むと,最高裁判事たちは司法の責任から逃げるには逃げたのですが,どうやら日本政府と日本国民自身に「下駄」をあずけた形です。
最高裁判決は,中華人民共和国の国民(被害者)は,損害賠償請求権を有していること自体を否定していません(かえって肯定している!)。ただ,日本の裁判所に裁判上の請求ができないだけだ,と言っているのです。
日本の裁判所としては,「日本政府が『請求権放棄の抗弁』を出した場合には棄却せざるをえない。日本政府及び日本法人が抗弁を出さなければ損害賠償を命じるよ。」と言っていることになります。要するに,あとは日本政府の責任でなんとかしろと言っているわけです。
■「美しい国」「毅然とした国」「品位ある国」そして「戦後レジームからの脱却」へ
わが国が「美しい国」,「品位ある国」になるために,日本政府と日本国民は,あのアジア侵略によって深く被害を受けたアジアの民衆に対して心からの陳謝と戦後補償を実行するべきです。(それが将来の「東アジア共同体」創設の大前提でしょう。)
わが国及び国民が過去の戦争責任を果たした後に初めて,「被爆者」や「空襲被害者」(戦争犯罪被害者)は,アメリカ合衆国に対して,広島原爆投下,長崎原爆投下,東京空襲などの「戦争犯罪」を告発することができるでしょう(提訴もありうる?)。この道こそが,本当の「戦後レジーム」からの脱却だと思います。
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