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2007年3月25日 (日)

プレカリアート

3月25日付朝日新聞の朝刊で,「プレカリアート」という言葉を初めて知りました。

■フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも説明があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88

プレカリアート(英precariat、仏précariat、伊precariato)とは、「不安定な」(英precarious、伊precario)という形容詞に由来する語句で、新自由主義経済下の不安定な雇用・労働状況における非正規雇用者および失業者の総称(国籍・年齢・婚姻関係に制限されることなくパートタイマー、アルバイト、フリーター、派遣労働者、契約社員、委託労働者、移住労働者、失業者等を包括するカテゴリー)。

■雇用柔軟型グループ
プレカリアートとは,1995年の日経連「新時代の日本的経営」が提言した雇用労働者の3グループのうち,「柔軟型グループ」のことですね。(他の二つは,長期能力蓄積型グループ【要するに幹部候補生となる正規労働者とその候補者】と専門職能力グループです。)

先進諸国の製造業を中心とした組織労働者(労働階級)はもはや衰退の一途を歩んでいるようです。他方,情報を操作する知識労働者は,労働階級とは区別された新中間階級として分化したようです。もはや「プロレタリアートの連帯と団結」は,大衆の「既得権に対する嫉妬」と「グローバル経済が煽る競争意識」の渦の中で消えてしいました。

■ワーキング・プアとプレカリアート
プレカリアートは,ほぼワーキング・プアと重なっています。2006年の総務庁の統計によると,雇用労働者約5300万人のうち,年間所得が200万円未満は約1570万人(約30%)。この200万円未満の雇用労働者が「ワーキング・プア」の階層である。この8割がパート,アルバイト,派遣,契約社員などの非正規雇用が占めているそうです伍賀一道「雇用と働き方から見たワーキング・プア」ポリティーク20050920VOL10)。

このワーキング・プアのうちの非正規雇用者(約1250万人)がプレカリアートということになります。これに失業者を加えれば,1500万人を大きく超えます。

組織労働者のたたかいは,目の前の(現に雇用されている)雇用主との対決でした。しかし,プレカリアートは,今の雇用労働市場の中では,個々の雇用主とのたたかいだけでは展望は見えてこないように思えます。そこに企業内労働運動の限界を超える可能性もあります。

■言葉のインパクト
ワーキング・プアという言葉は,ホームレスような「受け身」の言葉です。プレカリアートという言葉は「力強さ」をも感じます。でも,こう思うのはプロレタリアートに郷愁を憶える古い世代の感覚なのでしょうかね。現代社会では,それほどのインパクトはないのかもしれません。

しかし,社会現象に名前を与えることで,新しい認識や運動と力が生まれることが間々あります。近時の例では,「セクハラ」や「パワハラ」がありましたね。プレカリアートはどうなるでしょうか。

■3月24日集会
ろーやーずくらぶ にて,レイバーネットのシンポの報道が掲載されていることを知りました。

http://www.labornetjp.org/news/2007/1174820208264staff01

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