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2007年3月31日 (土)

トンネルじん肺 3月30日 松山地裁判決勝訴 5連勝

■5連勝

松山地裁は,3月30日の判決で,トンネルじん肺の国家賠償請求訴訟で,被告国に対して損害賠償の支払いを命じました。東京地裁,熊本地裁,仙台地裁,徳島地裁に続いて5連勝です。

本日、松山地裁民事1部は、全国トンネルじん肺根絶訴訟について、五度、国の責任を厳しく断罪し、原告(患者単位)22名中16名の原告(患者単位)を救済する勝訴の判決を言い渡した。

判決は、規制権限の不行使の責任に関し、昭和61年ころには,NATM工法が山岳工法での支保工の標準工法となり、機械式掘さくの割合が増加するなどしていたこと、さらに,建設災害防止協会は、昭和61年11月、トンネル建設工事に即した粉じん濃度測定方法及び屋内作業上の管理濃度を参考にした評価方法を示していたこと等から、労働大臣は、昭和61年末ころには、①湿式さく岩機と防じんマスク使用を重畳的に義務付けること、②NATM工法の標準化及び普及に伴い、コンクリート吹付作業時等のエアライン・マスクの使用を義務付けること、③粉じん濃度測定及びそれに対する評価を義務付けることを各内容とする省令を制定すべきであるにもかかわらずこれを怠ったことについて、規制権限(省令制定権限)不行使の違法があると認定した。

■次は金沢地裁 9月21日判決 国の連敗の流れは決まり

結局,厚労省は解決能力がないということですね。トンネルじん肺は金沢地裁が3月30日に結審して判決は今年9月21日です。6度目の判決ですが,もはやトンネルじん肺については流れが決まりました。今後判決が予定されている広島地裁,札幌地裁,新潟地裁,長野地裁,松江地裁の裁判所で国の敗訴は間違いない。筑豊じん肺の最高裁判決の下,訴訟で国が逆転するのは困難でしょう。

国は,東京高裁で最後の勝負に出るつもりでしょうか。

しかし,東京高裁(石川善則裁判長)では,今年6月に原告本人尋問が予定されています。東京高裁第1回(3月12日)の控訴審弁論で,石川裁判長は,第1審原告2名の意見陳述,弁護団3名の陳述に対して,「まことに密度の濃い弁論であった」と発言しました(法廷で,こんな発言を裁判官がするは極めて異例です。)。

法務省の訟務検事(裁判官の判検交流組です)は,東京高裁,仙台高裁,福岡高裁への対応に四苦八苦している様子がありありです。

■厚労省の頑なな対応と連敗路線

担当官庁である厚労省の国家賠償請求事件では,原爆訴訟(国の5連敗),C型肝炎訴訟(国の3連敗),そして,トンネルじん肺(国の5連敗)で連敗を続けています。厚労省は,もはや負け慣れしてしまい,粛々と控訴し,淡々と敗訴するつもりのようです。

戦前の日本が,連戦連敗しているのに,どこかで反転攻勢をかけて,少しでも有利な講話をしようと目論んだが,結局,無条件降伏を余儀なくされました。今の厚労省は,この旧日本軍のようです。官僚というのは自分のイニシアで方針転換して物事の解決を図ることは苦手なのでしょう。組織の中での自己保身・自己保存の本能に凝り固まっていますからね。

官僚組織の方針や方向転換を決断するのはやはり政治家しかいないでしょう。あるいは,最高裁までいって判決で勝ちきるしかありません。しかし,それではじん肺患者の原告の多くは,この世を去ってしまいます。

■柳澤厚労大臣の発言

ところで,柳澤伯夫厚労大臣は,3月27日の定例記者会見で次のような受け答えをしています。
http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2007/03/k0327.html

(記者)
   中国残留孤児の訴訟では国は勝ったわけですね。今回C型と原爆では負けたわけですけど、(国が)勝ってそれでも(原告に)会うと、(国が)負けて(勝訴した原告には)やっぱり会わない、これは原爆訴訟、しかもB型、C型と 孤児を分けるものというのは何なんでしょうか。

(大臣)
   これは、やはり何と言っても、総理の判断というものがあって、それに基づいて私に指示が下って、その翌日、その指示を受けて総理がお会いになったと、こういうことですね。で すから、そういう一連の動きがある中で、そうしたことが行われたと、こういうふうにご理解いただけたらと思います。

要するに,「裁判では原告に勝ったけれど,総理の指示があれば原告らに会います」と言ってる。じん肺患者の原告らが勝訴をして,厚労省に協議を申し入れても,「係争中の事件の当事者に会わない」と言っているのに。

■肝炎訴訟での官邸の動き

3月21日の朝日新聞には次のような記事が掲載されていました。要は,官邸の指示がないと厚労省は動かないということですな。

C型肝炎訴訟「政府・与党で解決」 官房副長官が原告に
                   2007年03月30日23時33分

 下村博文官房副長官は30日、官邸で薬害C型肝炎訴訟の原告らと面会した。原告らによると、下村氏は「政府と与党が一体となって肝炎問題の解決に取り組む」として、政府主導で肝炎対策に本格的に動き出す方針を示した。大阪、福岡、東京地裁で続けて国が一部敗訴したことを受け、「政治的解決」を望む原告らに応える形だ。一方で、国は東京地裁判決については不服として同日、東京高裁に控訴した。
 面会した原告らによると、下村氏は「安倍首相の声と思って聞いてほしい」としたうえで、「政府としてもみなさんと痛みをできるだけ共有したい。与党と一体となって解決に向けて取り組んでいく」と話したという。
 また下村氏は、安倍首相から「訴訟とは別に、解決できることがあれば努力する」などと指示されたといい、与党にも肝炎対策を勉強・研究するよう働きかけると明言した。http://www.asahi.com/politics/update/0330/016.html

■トンネルじん肺でも政治解決を

現在521名にのぼる国会議員の賛同署名,自民党のじん肺議連,公明党のじん肺プロジェクトチーム,そして,野党の支援を足がかりに,政治の力によって,トンネルじん肺根絶のための粉じん測定及びその評価の義務づけなどの抜本的な防止対策を確立させたいです。

自民党のじん肺議連の事務局長 萩原誠司 衆議院議員のWEB活動報告を紹介します。http://www.hagiwara-seiji.jp/houkoku_kako/houkoku.html

○徳島のじん肺訴訟で、原告側がほぼ全面的に勝訴、つまり、国が敗訴しました。4つの地方裁判所で4連敗です。自由民主党のじん肺議連を代表する形で萩原誠司と逢沢一郎代議士他が、原告の皆さんの報告集会に出席。じん肺の根絶にむけて政府の対策の強化を促すことを含め、早期の和解が必要だと感じています。

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2007年3月28日 (水)

トンネルじん肺 3月28日 徳島地裁勝訴判決

■勝訴判決

3月28日 徳島地裁は,トンネルじん肺国家賠償請求訴訟にて,国の規制権限不行使の違法性を認めて原告26名全員の請求を認める判決を言い渡しました。

判決は、規制権限の不行使の責任に関し、トンネル工事の粉じん対策が極めて不十分な状態であり、多数のじん肺患者が発生し、今後もじん肺患者が発生する危険性が高い状況にあったのであるから、労働大臣は、遅くとも①昭和35年4月の旧じん肺法制定の時点で,トンネル工事の坑内作業について散水措置を義務付けること、②昭和54年4月の粉じん障害防止規則制定の時点で,湿式削岩機と防じんマスク使用を重畳的に義務付けること、③昭和61年11月の時点で、トンネル工事の坑内の粉じん測定と結果の評価を義務付けること、を内容とする省令を制定すべきであったとして,国に対し、原告全員に対する一律220万円の損害賠償を命じた。

■議員会館での院内集会

28日午後5時から,国会の第一議員会館第1会議室にて国会議員の方々を招いて集会を行いました。トンネルじん肺根絶の賛同署名には,現在520名もの国会議員の署名をいただいています。

参加いただき,ご挨拶をいただいた議員の諸先生方は次のとおりです。

逢沢一郎議員(自民党じん肺議連会長),萩原誠司議員(自民党じん肺議連事務局長),北村茂男議員(自民党じん肺議連事務局次長)

漆原良夫議員(公明党,じん肺問題プロジェクトチーム座長)

仙石由人議員(民主党),末松義規(民主党)

穀田恵二議員(共産党),高橋千鶴子議員(共産党)

福島みづほ議員(社民党党首),日森ふみひろ議員(社民党),菅野哲雄議員(社民党)

田中康男氏 前長野県知事(新党日本党首)

このほかにも多数21名の議員の方々が顔をお出しいただきました。
国会議員の皆さんの動きについては前にも触れました。

http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2007/02/post_c6bf.html

徳島地裁が国の責任を断罪したことにより,議員の先生方の確信がより深まったと思います。

明日3月30日,松山地裁判決です。また,金沢地裁は明日30日結審です。これに続けて,広島地裁,札幌地裁,新潟地裁は今夏には結審するでしょう。年内には判決が言い渡しがされます。東京高裁,福岡高裁,仙台高裁の控訴審も開始され,6月には東京高裁にて第1審原告の本人尋問が実施されます。

■現時点の原告らの解決要求

原告ら患者は、国が原告らに謝罪し、粉じん濃度の測定及び評価の義務付け等の適切な対策をとることを約束すれば、国に対する損害賠償請求を放棄し、各地裁にて国と和解して解決を図ることを表明しています。

厚労省はどこまで抵抗するのでしょうか。

徳島地裁の判決要旨,声明,原告らの解決要求などをアップしておきます。

続きを読む "トンネルじん肺 3月28日 徳島地裁勝訴判決"

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新人弁護士用 労働事件の研修

私の事務所では,新人弁護士向けに先輩弁護士が話しをするという研修を行います。
(「先輩」という言葉自体が,阿呆な体育会系の遺物でしかなく,新人弁護士から見るとただの臭いおじさんでしかないようです。)

私が労働事件の研修用に作ったパワーポイントがあります。労働組合の学習会に使ったものを合体したものです。
  ↓
「shinzinkensyuroudouziken.ppt」をダウンロード

これを事務所の新人弁護士研修で話しをしましたが,彼ら/彼女には全く理解されませんでしたね。20年近くの年齢の差だけでなく,前提となる社会経験や歴史感覚,また問題意識,そして,読んできた本がまったく異なるようです。お互いの時間の無駄ですな。

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2007年3月25日 (日)

プレカリアート

3月25日付朝日新聞の朝刊で,「プレカリアート」という言葉を初めて知りました。

■フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも説明があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88

プレカリアート(英precariat、仏précariat、伊precariato)とは、「不安定な」(英precarious、伊precario)という形容詞に由来する語句で、新自由主義経済下の不安定な雇用・労働状況における非正規雇用者および失業者の総称(国籍・年齢・婚姻関係に制限されることなくパートタイマー、アルバイト、フリーター、派遣労働者、契約社員、委託労働者、移住労働者、失業者等を包括するカテゴリー)。

■雇用柔軟型グループ
プレカリアートとは,1995年の日経連「新時代の日本的経営」が提言した雇用労働者の3グループのうち,「柔軟型グループ」のことですね。(他の二つは,長期能力蓄積型グループ【要するに幹部候補生となる正規労働者とその候補者】と専門職能力グループです。)

先進諸国の製造業を中心とした組織労働者(労働階級)はもはや衰退の一途を歩んでいるようです。他方,情報を操作する知識労働者は,労働階級とは区別された新中間階級として分化したようです。もはや「プロレタリアートの連帯と団結」は,大衆の「既得権に対する嫉妬」と「グローバル経済が煽る競争意識」の渦の中で消えてしいました。

■ワーキング・プアとプレカリアート
プレカリアートは,ほぼワーキング・プアと重なっています。2006年の総務庁の統計によると,雇用労働者約5300万人のうち,年間所得が200万円未満は約1570万人(約30%)。この200万円未満の雇用労働者が「ワーキング・プア」の階層である。この8割がパート,アルバイト,派遣,契約社員などの非正規雇用が占めているそうです伍賀一道「雇用と働き方から見たワーキング・プア」ポリティーク20050920VOL10)。

このワーキング・プアのうちの非正規雇用者(約1250万人)がプレカリアートということになります。これに失業者を加えれば,1500万人を大きく超えます。

組織労働者のたたかいは,目の前の(現に雇用されている)雇用主との対決でした。しかし,プレカリアートは,今の雇用労働市場の中では,個々の雇用主とのたたかいだけでは展望は見えてこないように思えます。そこに企業内労働運動の限界を超える可能性もあります。

■言葉のインパクト
ワーキング・プアという言葉は,ホームレスような「受け身」の言葉です。プレカリアートという言葉は「力強さ」をも感じます。でも,こう思うのはプロレタリアートに郷愁を憶える古い世代の感覚なのでしょうかね。現代社会では,それほどのインパクトはないのかもしれません。

しかし,社会現象に名前を与えることで,新しい認識や運動と力が生まれることが間々あります。近時の例では,「セクハラ」や「パワハラ」がありましたね。プレカリアートはどうなるでしょうか。

■3月24日集会
ろーやーずくらぶ にて,レイバーネットのシンポの報道が掲載されていることを知りました。

http://www.labornetjp.org/news/2007/1174820208264staff01

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2007年3月23日 (金)

反石原?半石原?… 小異か,大異か?

本日の「日の丸・君が代強制反対」の予防訴訟弁簿団会議にて
弁護団副団長の澤藤先生から,毎日新聞の川柳を教わりました。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/senryu/news/20070321ddm003070026000c.html

 都知事選反石原の同士打ち 藤枝 寺田克

★ 四つ!

澤藤先生のブログは,右のリンクから,ご覧ください。

ちなみに,劇団「二兎社」が「歌わせたい男たち」を再上演するそうです。
楽しみですが,来年3月1日まで待たなければなりません。

  ↓
http://www.nitosha.net/stage/index.htm

それまでに,石原知事の「君が代・日の丸」の強制は終わっている?

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2007年3月19日 (月)

早咲き 桜

125_2571

日曜日。久しぶりに,近所の都立公園を散歩してきました。桜は,まだまだ。でも,つぼみはふくらんでいました。

一枝だけ桜が咲いていました。125_2553 見頃は来週の日曜でしょうか。

雲一つ無い快晴でした。

125_2573

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2007年3月16日 (金)

労働審判制度施行1年

■労働審判は順調なスタート
2006年4月に労働審判法が施行されて,もうすぐ1年になります。2007年2月には最高裁や東京地裁と弁護士会との協議が行われ,私も参加して意見を述べました。労働審判の施行状況について裁判所の統計(速報値)に基づいて簡単に紹介します。

【労働審判の概要については】
  ↓
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2006/03/post_a4e6.html

労働審判制度は裁判員制度と違って,地味な取り扱いで出発をしました。しかし,結果的には,大変に順調な船出をしたと思います。労働者側の弁護士も労働組合も,始まる前は不安もありましたが,実際に労働審判を経験してみた方々の意見を聞くと概ね好意的に受けとめています。

私が現在まで申し立てた労働審判事件は8件。退職金請求事件1件、残業代請求事件1件、地位確認事件(解雇、雇止)3件、退職強要差止事件1件、自宅待機命令違法確認事件1件,労働契約関係不存在確認事件(労働者側からの申立)1件です。今のところ,すべて調停にて解決しており、審判を受けた事件はない。現在,また解雇事件の1件を起案中です。

■労働審判の全国地裁の申立件数
   最高裁判所によれば,昨年4月から12月までの全国地方裁判所での労働審判事件の新受件数は877件となっています。

 地裁     件数    比率
 東京     258     29%
 大阪      84     10%
 横浜      77      9%
 名古屋   54      6%
 札幌      34      4%
 神戸      33      4%
 福岡      29      3%
 千葉      26      3%
 さいたま 25      3%
 京都      24      3%
 その他  233     27%
 総計     877    100%

■労働審判の申立事件種別
 地位確認事件,つまり解雇事件(雇止め事件含む)が半数を占めています。

 東京地裁における申立事件の種別
     (2006年 4月~2007年1月)
事件種別            件数    比率
地位確認            126   46.3%
賃金                   52   19.1%
退職金                27    9.9%
損害賠償             28   10.3%
解雇予告手当        6    2.2%
配転命令無効確認  4    1.5%
残業代                15     5.5%
その他                14     5.1%
計                       272

■高い解決率-調停成立が7割

 調停成立率
  全国地裁    70.5%
  東京地裁   74%

  審判率
  全国地裁   17.7%
  東京地裁   16.5%

 審判に対する異議率
  全国地裁   51.4%
  東京地裁   70%

調停成立率は全国平均で74%。労働事件の本訴の和解率は約50%ですから,74%の調停成立率は極めて高いものです。

また,調停が成立せず労働審判となるケースは全国平均で17.7%,東京地裁は16.5%です。このうち異議申立されるのは全国では51%,東京地裁では70%です。

つまり,審判が出ても異議がなく確定する率が全国では49%,東京地裁でも30%あるというのです。本訴では労働事件の控訴率は80%ですから,労働審判の確定率は高いと言えます。

結局,異議なく確定した事件も含めると労働審判全体で約8割が労働審判手続にて終局的に解決していることになる。予想以上の高い解決率であり,労働審判制度の実効性が高いと評価できます。

■審理の迅速性

平均審理期間(申立から終局までの日数。但し,取下げ,移送は除く)
  全国地裁 72.9日
  東京地裁 67.7日

■労働事件数の推移
労働審判の施行により,今まで裁判所に申し立てられなかった個別労働紛争が申し立てられるようになったという【掘り起こし効果】が見られます。
2003年度が労働事件数のピークで,その後は減少傾向にあったのが,労働審判施行により,労働事件数は増加しています。ただし,まだ,その効果は大きくはありません。

全国地裁         訴訟  仮処分 労働審判   計
2003年4月~11月  1610    492      -      2102
2004年4月~11月  1658    434      -      2092
2005年4月~11月  1562    433      -      1995
2006年4月~11月 1288    279     744     2311

東京地裁          訴訟   仮処分  労働審判   計
2003年4月~12月   653    159      -         812
2004年4月~12月   610    170      -         780
2005年4月~12月   547    168      -         715
2006年4月~12月   458     88      258       804

ここで注目されるのは,全国でも東京地裁でも仮処分事件が約半分に減少していることです。従来であれば,仮処分を申し立てていた事件の半数は,労働審判に申し立てられていることになります。将来的には,労働審判が個別労働紛争の裁判手続のメインになると思います。

■現状分析と今後の課題は
労働審判が施行されて1年をテーマに,裁判所との協議会や座談会に出席しました。これらは判例タイムズやNBLに掲載される予定です。また,第二東京弁護士会の会報やひろばユニオンという雑誌に労働審判についての原稿を書きました。高い解決率や,迅速性の要因,また,今後の課題などは,これらの雑誌や会報で触れます。

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