トンネルじん肺国賠訴訟 徳島地裁3/28,松山地裁判決3/30
■陸続 トンネルじん肺国賠訴訟の判決
トンネルじん肺国賠訴訟は,2006年7月東京地裁,熊本地裁,同年10月に仙台地裁で国の責任を認める判決が言い渡されました。
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2006/07/post_5860.html
国は,それぞれ控訴をしました。全国11地裁で引き続き争われています。今年度末に立て続けに徳島地裁と松山地裁で判決の言い渡しが予定されています。
3月28日 徳島地裁判決
3月30日 松山地裁判決
両地裁とも原告の勝訴,2連勝ということになるでしょう。違法性の時期が1960年(昭和35年)のじん肺法制定時から認められるか,東京地裁のように1986年(昭和61年)末からかはともかく,国(厚労省)に規制権限行使の義務違反が認められると確信しています
なお,3月30日は金沢地裁のトンネルじん肺も結審します。(この後,新潟地裁,広島地裁,札幌地裁が夏には結審する見込みです。)。もはや原告の勝訴の流れは変わらないでしょう。
国はいつまで無駄な争いをするのでしょうか。
■国会議員の賛同署名505名!
衆参あわせて現職国会議員505名が,原告らの3点の要求(粉じん測定の義務づけ,作業時間短縮,トンネルじん肺補償基金の創設)に賛同署名をしています。なんと国会議員の7割が賛同しているのです。
■公明党のじん肺PT,自民党のじん肺議連
公明党の「じん肺プロジェクトチーム」(座長:漆原良夫議員,顧問:坂口力元厚労大臣)がサポートしてくれています。また,自民党にも「じん肺議連」(会長:逢沢一郎議員,事務局長:萩原誠司議員,顧問:森喜朗元首相)が昨年発足しています。
自民党のじん肺議連の事務局長の萩原誠司議員のHPで次のように報告されています。
http://www.hagiwara-seiji.jp/houkoku_kako/houkoku.html
○2007年2月6日
自由民主党のじん肺対策議員連盟の第二回の総会。新政治研究会が呼びかけ人になって、昨年設立しました。会長は逢沢一郎さん、そして、私は事務局長です。設立以降、議員連盟への加入者が倍増しました。現在裁判が行われていますが国と原告の間の意見の相違を出来るだけ解消し、早期にじん肺根絶のための具体的アクションにつなげることを目指しています。○2007年2月8日
逢沢一郎代議士とじん肺問題、中国人残留孤児の問題への対応を協議。また、公明党でじん肺対策のプロジェクトチームの座長をしておられる漆原国会対策委員長とも会談し、与党の協力体制を構築することで合意しました。
もちろん,民主党,共産党,社民党も原告らを支持してくれています。じん肺患者らの願いを超党派で支援する政治の動きは大きく広がっています。
■厚労省の抵抗
国,特に厚労省(労働安全衛生室)がじん肺予防の政策転換に強い拒否反応を示しています。しかし,全国の11の地方裁判所で敗訴が続くでしょう。高裁も,東京高裁,福岡高裁,仙台高裁の審理が始まります。厚労省は最高裁まで争うつもりなのでしょうか。まるで,戦前の日本軍部のように,いくさを長引かせて犠牲者だけを増やすという姿勢です。
厚労省は,裁判所が指摘するように,トンネルでの粉じん測定及び測定結果に基づく評価基準を省令で定めるべきでしょう。
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