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2007年2月 8日 (木)

「ジイジ」の言葉尻をつかまえて・・・う~ん やな感じ

■厚生労働大臣 閣議後記者会見
(H19.02.06(火)09:21~09:28    省内会見場)
http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2007/02/k0206.html

(記者) 少子化対策というのは、女性だけに求めるものなのかどうか、その辺りのお 考えはいかがでしょうか。

(大臣)これはもう、元から私申し上げておりますように、要するに、若い人たちの雇用の形態というようなものが、例えば、婚姻の状況等に強い相関関係を持って、雇用が安定すれば婚姻の率も高まると、こういうような状況ですから、まず、そういうようなことにも着目して、私どもは若者に対して安定した雇用の場を与えていかなければいけないと、こういうことでありましょう。それからまた、女性、あるいは一緒の所帯に住む世帯の家計というようなものが、子どもを持つことによって厳しい条件になりますから、それらを軽減するという、いわゆる経済的な支援というようなものも必要だろうと、このように考えます。それからもう1つは、やはり家庭を営み、また子どもを育てるということには、人生の喜びというか、そういうようなものがあるんだというような、意識の面の、自己実現といった場合ももう少し広い範囲でみんなが若い人たちが捉えるように、ということが必要だろうというふうに思います。ただ、前から言っていることですが、そういうことを我々は政策として考えていかなければいけないのではないかと思うのですが、他方、ご当人の若い人たちというのは、結婚をしたい、それから、子どもを二人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけですね。だから、本当に、そういう日本の若者の健全な、なんというか、希望というものに我々がフィットした政策を出していくということが非常に大事だというふうに思っているところです。具体的な事について、いろいろまた考えていかなければいけない。基本的枠組みとしては、そのようなことです。

2人以上の子どもを持ちたい若者を「健全」と言うことを,反対解釈すれば,それ以外は「不健全」ということに解されます。でも,それは曲解というものでしょう。為にする議論ですな。そう批判する野党も,所詮は選挙目当ですから。

■けっこうまともな発言なのではないでしょうか?

「子どもを産む機械」発言は言語道断として,上記の柳沢大臣が言っていることは,まっとうな発言だと思います。多数の若者が結婚(法律婚か事実婚かはともかく)して,子ども2人持ちたいと思っているのであれば,それをサポートするのが政府の社会政策でしょう。
そのどこが悪いのでしょうかね? 
大臣発言は,「労働ビッグバン」主義者の連中に対する,反論になっていると思います。奥谷禮子氏なら,「そんなこと自己責任でしょ!」「税金を使って楽にしてくれなんて労働者の甘えだ!」と言うでしょうからね。

■少子化対策は「生む性」の自己決定権に対する侵害?

子どもを持つ持たないは,「生む性」の自己決定権の問題であり,国家社会が干渉すべきではないという原理主義者がいます。この立場からすれば,子どもを生みやすく,育てやすくする社会政策も,自己決定権に公権力が介入することになるのでしょうか。もしそうなら少子化対策や福祉政策は成り立たないことになります。(まあ,そこまでは誰も言わないでしょうが。ただ,この原理主義者らの論理を突き詰めれば,そこまで行き着くように思います。)

とにかく,「おじいさん」の言葉尻を捕まえて,いつまでも,ネチネチ,クドクド,いたぶるようなやり方は,昔なら「○の腐ったような奴だ」と言いたくなるでしょうね。

でも,そんなこと言うと,またまた問題発言になっちゃいます。(なお,○の中が男であろうと,女であろうと,性別を持ち込むこと自体ジェンダー的に正しくないのでしょうね。○の中は,犬とか,猿をイメージしてくださいね。)

とにかく,言葉尻をとらえての揚げ足とりは,や~な感じ。 嫌いです。

若者に安定した雇用を提供することを少子化対策と語ることがおかしいのでしょうかね。厚労大臣には,加えて,労働時間の短縮を言ってもらえると,もっと良かったのですが。

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