ホワイトカラー・エグゼンプション導入断念。その後は?
この間の目まぐるしい動きを追って新聞の見出しを次に並べました。
本当に壮観(あるいは,右往左往)ですね。
■残業代ゼロは時期尚早 公明・太田代表が強調
2007年01月02日19時03分 朝日新聞
■自民・丹羽総務会長も、残業代ゼロに「慎重に対応を」
2007年01月04日22時11分 朝日新聞
■労働基準法改正案:法案提出方針不変--柳沢厚労相
2007年1月5日 東京夕刊 毎日新聞
■安倍首相“残業代なし”法案提出に慎重姿勢
日テレニュース <1/5 23:56>
■残業代ゼロ 首相「少子化対策にも必要」
2007年01月05日22時01分 朝日新聞
■残業代ゼロ見送り論、与党に強まる 厚労省に戸惑い
2007年01月06日20時49分 朝日新聞
■残業代ゼロ制、「説明責任、十分ではない」 中川幹事長
2007年01月07日16時52分 朝日新聞
■労働時間除外制は通常国会で審議を・経団連会長
2007年1月9日 19:03 日経新聞
■労働時間規制除外制は導入見送り、選挙控え政府与党方針
2007年1月10日 午前7時 日経新聞
■残業代ゼロの基準は年収900万円以上、と厚労相
2007年01月10日12時11分 朝日新聞
■残業代ゼロ法案、提出へ 厚労相「対象は20万人」
2007年01月11日09時13分 朝日新聞
■残業代ゼロ法案、通常国会に提出へ 塩崎官房長官が表明
2007年01月11日13時23分 朝日新聞
■残業代ゼロ法案提出「現状では困難」 中川幹事長
2007年01月16日12時24分 朝日新聞
■安倍首相 通常国会への提出見送り 労働時間規制除外法案
2007年1月16日 共同 配信(19時35分)東京新聞
■残業代ゼロ法案 政府、通常国会提出を断念
2007年01月16日20時55分 朝日新聞
これで,労基法改正案はすべて流れて,労働契約法もぽしゃる。ひょっとしたら,パート法も最低賃金法も全部,ダメってか?と思っていたのですが,次の読売の報道を見てびっくり。
■読売新聞 インターネット版 2007年1月17日21時11分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070117i114.htm?from=main1
↓
残業代の割増率引き上げ、与党が法案提出を要求へ
与党は17日、政府が通常国会で目指す労働法制の見直しについて、法案として提出を見送るのは「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制に限定し、残業代の割増率(現行は25%増)引き上げなどの他の改革は、予定通り関連法案提出を政府に求める方針を決めた。同日の自民、公明両党の幹事長、政調会長らの会談で一致した。これを受け、厚生労働省は通常国会に働き方や賃金のあり方を見直すための労働関連法案を計5本提出する予定だ。
これって,与党協議会のことでしょうね。
【公明新聞:2007年1月18日付】に次のように報道されています。
残業代ゼロ制 通常国会の提出見送り 自公が方針
自民、公明両党の与党幹事長、国会対策委員長、政務調査会長は17日、都内で会談し、25日召集の通常国会への対応について協議した。公明党から北側一雄幹事長、漆原良夫国対委員長、斉藤鉄夫政調会長が出席した。
雇用問題に関する与党協議会の設置を提案し、早期に立ち上げることを決めた。さらに、自民党の中川秀直幹事長が、一定の要件を満たす会社員を労働時間規制から外し、残業代の支払いをなくす「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入について、「国民の理解を得られていない」と述べ、与党として次期通常国会に同制度を導入する法案の提出を見送ることで一致。一方、正規・非正規に関係のない同一労働・同一賃金制の導入や最低賃金制度の充実など、その他の労働法制関連法案については、通常国会に提出する方針を申し合わせた。
でも,これって官邸に対する自民党の守旧派(あるいは保守本流)側の攻勢って局面(党内権力闘争)なんでしょうか?
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コメント
ブログを見ないで書いたのですが同じ内容です。削除せず送ります。失礼しました。
ホワイトカラーエクゼンプション
(white-collor Exemtion or WhiteCollar-Exemption?)(WE)
今世間はこの事で騒いでいますが、何故カタカナで書かなきゃいけないのですか。理解に苦しみます。
経済同友会の北城さんは「高度専門職年暴政とよんで」といっているそうです。年収400万円でですかと突っ込みたくなりますね。パソコンのソフトも怒こっていて「ねんぼうせい」がでないのそのままです。
それはさておき,WEに関連したこんな話が現実にああります。ある有名会社の子会社で管理職直前になると昇格と昇級をしないで欲しいとの要望があり困ったそうです。
理由は管理職になると仕事の責任が増え給料が減るからです。何処の会社でもおそらく同じでしょうが管理職直前の人はその上司より多く給料をもらっています。
残業手当が付くので少ない管理職手当の上司よりも手取りが多くなります。
政府もマスコミも有識者の意見をよく聞きますが、ほんとにこの人が有識者かと頭を傾げる人も多くいます。WEの検討の際もそのような人がいたようです。
厚生労働省の分科会の有識者(ザ・アールの女社長、ジ・アール?、社長はJALにいたが英語がわからないとも噂されているようです。)が「・・・労働基準監督署なんかいらない・・・」と申されています。これで有識者なのですかね。こんな人達が検討した法律にしたがうのもなんだか変ですね。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_bcac.html
まあようするに経営側は搾取したいのでしょう。さすがにホワイトカラー(辞書では「頭脳労働者の」)の方々も身の危険を感じたのでしょう。騒ぎが大きくなりました。
自民党の議員さんも夏の参議委員選挙の前ではやばいと考え反対する方々が多くなったようです。
参院選を過ぎると加熱しやすく冷めやすい国民だからその後にだまって成立させればいいのだと考えているのでしょう(見ないで書きましたがブログにありましたね。)
今度の選挙は全員で参加し清い一票を投じましよう。なんといってもこの方法が一番です。
蛇足:何故何かに反対するとき集会を開いたり官庁に陳情、デモにいくのでしょう。あまり効果がないのでは。
私なら賛成した議員にその勢いで思いを直接伝えます。聞いてくれないなら次の選挙で落とすと脅せばいいのではと思います。いじめかな?
投稿: 遠めがね | 2007年1月17日 (水) 23時21分