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2006年12月 2日 (土)

映画「トンマッコルへようこそ」

トンマッコルへようこそ

  韓国映画 2006年日本公開

http://www.nikkatsu.com/movie/history/2006_in/dongmakgol/index.html

場所は朝鮮半島の山奥。時は朝鮮戦争。仁川に国連軍(連合軍。米軍)が上陸して北朝鮮軍と中国人民軍に対して反転攻勢している時期。

山奥の村に,米軍の飛行機が墜落。米兵が1人降ってきた。韓国軍(サウスコリア)の脱走兵2人。朝鮮人民軍(ノースコリア)の敗残兵3人が「トンマックル」という村に転がり込みます。

トンマックルとは,「子どものような無垢な村」という意味。戦争が起こっていることすら知らない「桃源郷」に住む村人たち。兵隊たちと,村人たちを「交流」(?)を楽しく描いています。

素晴らしい反戦ファンタジー映画です。韓国映画のパワーを感じます。
是非,ご覧ください。

以下,ネタバレです。

米兵,サウスコリア兵,ノースコリア兵らが対立し,いがみ合いをします。トンマックルの村人たちのペースに巻き込まれて,戦場の緊張から解放されて,畑仕事をして,飯をたらふく食い,糞をしながら,軍人から人間に解放(弛緩)されていきます。

サウスコリアの将校は,軍令により避難民を犠牲にしてしまった負い目で脱走兵になっています。サウスコリアの将校は,ノースコリア兵の投擲した手榴弾の爆発から自分の身体を盾にして村人を守ろうとします。それを見たノースコリアの将校は,サウスコリアの将校を信頼して和解の手をさしのべます。

村人たちと,そして,とびきり可愛く純粋な少女(つまり「ちょっと頭の足りない少女」)を交えた村の生活が始まります。

トンマックルの村は,朝鮮の伝統的な村であるようですが,でも少し違う。村人は朝鮮の民族衣装に似ている着物を着ているが,違う感じです。日本の着物にもにている。まるで「アジア普遍」のような衣装に見えます。

村の風景や山の様子やお地蔵さまの様子,空を群舞する蝶の姿は,宮崎駿のアニメ(もののけ姫,千と千尋)に出てくる雰囲気そのものです。音楽は久石譲です。この監督は「宮崎駿のアニメ」を強烈に意識していると思います。

理想的なトンマックル村。ノースコリアの将校が村を治める年老いた村長に,「あなたの人民に対する卓越した指導力の秘訣は何か」と聞きます。すると,村長は,「みんなをたらふく食わせることだ」と答えます。名言ですな。

ココロ休まる村の生活が描かれた後,米軍の特殊部隊がトンマックルを襲い,村人たちを拷問して虐殺しようとします。これにサウスコリアとノースコリアが連合して対抗します。

映画のラストは米軍が軍事的要衝の場にあるトンマックルを無差別爆撃して破壊しようとします。トンマックル村を救うために脱走兵のサウスコリア兵と敗残兵のノースコリア兵らが共同して米軍(連合軍=国連軍)と戦うことになります。両者は,俺たちこそ「連合軍(統一軍)」だと言って,米軍とたかいます。

そして,連合軍(統一軍)は,トンマックル村の身代わりになり,米軍の圧倒的な軍事力の前に全員戦死します。しかし,トンマックル村は救われます。

今の韓国のUSAに対する感情がここにあらわれているのでしょう。

最近,映画や漫画で,米国は「正義の味方」ではなく,「傲慢な軍事大国」として描かれるようになってきました。あの「帝国」も滅びの道を歩んでいるのでしょうね。

映画のオープニングは水墨画のアニメで始まります。これが素晴らしい映像です。
また,ラストのシーンも素晴らしいシーンです。私は大好きです。是非,ご覧ください。

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