後藤田正純議員 「労働ビッグバン」への宣戦布告!
「エコノミスト」(2007年1月9日号)に自民党雇用・生活調査会事務局長の後藤田正純衆議院議員のインタビューが掲載されています。
題して,「経済界は,まだ金儲けが必要なのか」!
大手企業は,「いざなぎ景気越え」を謳歌しているが,その一方で,生活保護を受けている100万世帯を超えている。最低賃金は先進国の次いで2番目に低く,ワーキングプアの問題は深刻だ。憲法25条の生存権の保障の精神からしても見て見ぬふりはできない。
いやあ~。さすがは,大・後藤田正晴の甥っ子。
貸金規制法の時も,男・後藤田の気っぷの良さは素晴らしかったですね。(先日,議員会館前ですれ違ったことあるけど,本当にイイ男でした。)
今は,なくなってしまった社会党のような発言です。
ちなみに,社会党の衆議院議員の井上晋方の親戚でもあるそうな。
後藤田議員曰く,
市場万能主義を主張する時期は終わりを告げている。
審議会が,連合と日本経団連の「談合機関」と化し,弱い立場にある一般労働者のために機能していない。
労働法制は規制緩和の一点張りだったが,これからは党が責任を持って,規律ある労働市場の創設を働きかけていく。
自民党や政治家が労働市場の規制緩和に反対しても,「抵抗勢力」になることはあり得ない。負担ばかりを強いられてきた国民はそうはみない。むしろ,経営者の論理を理解する層の方がマイノリティー。こちらも言いたいことを言い,経済界にはヒール(悪役)になってもらう。
この調査会に,60人が自民党議員が参加しているとのことです。
自民党のHPに役員や幹事が発表されています。なかなかの陣容です。 http://www.jimin.jp/jimin/yakuin/yakuin-3.html
主なメンバーには次のような人がいます。
会長 川崎二郎(元厚労大臣)
顧問 大野功統 小坂憲次
事務局長 後藤田正純
自民党政調厚労部会部会長の石崎岳議員も幹事として参加してます。厚労部会の労働担当部会から格上げされたような感じですね。
調査会に参加した加藤紘一議員は,「この調査会は,経済財政諮問会議に対する宣戦布告だ」とぶちあげていたと言います。
この調査会の件は,前にも取り上げました。
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2006/12/post_6502.html
どうやら,「負け組議員」の集まりとは,違うようですね。
本当に,経済財政諮問会議への「宣戦布告」のようです。
来年の通常国会は面白くなりそう?
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コメント
水口先生、いつもお世話になっております。労働ビッグバンの記事を探していて、偶然先生のホームページを見つけました!
水口先生からご自身が作られたホームページのお話を伺ったことがなかったので、ビックリしました。(しかもトップの白くじらが可愛い・・・)
「夜明け前の独り言」ということはお仕事で徹夜なさった明け方に更新なさっているということでしょうか・・・?
いずれにしても、とってもご多忙そうなのにこんなに充実したホームページを作っていらっしゃったとは、恐れ入りました。うーん、やはり時間とは作り出すものなのですね。m(U_U)m
投稿: 角麻喜子 | 2007年1月17日 (水) 23時48分
東京都在住、57歳の会社員です。
1月17(8?)日朝日新聞夕刊一面に、自民党雇用・生活調査会が求人の年齢制限を禁止法案を検討しているとの記事が出て、このアイデアが以前から私が考えていたことと一致するため、是非この案が日の目を見るようにと何か発信できないか、HPを検索していて水口先生のHPにたどり着いたものです。先生のお立場、も分かりませんので、この返信が何か意味があるのかどうか確信はありませんが、何かしたいとの一念で勝手にコメントをお送りしています。
特に若年層に関して現在問題となっているいわゆる格差については、最大の問題は、年功序列によって既得権ががっちり守られているところにあると考えています。雇用の年齢制限を無くすことは、一見若年層の雇用機会を奪うかのようですが、実は、中高年への雇用機会を広げることで、そういう層の年功制による既得権からの退出を助けるセーフティネットとして働き、その結果、若年層の雇用機会が拡大するとともに、正しい意味での成果主義等の企業活性化につながるものと考えます。一方、米国などでは、年齢差別は性差別と同様に当然のこととして禁止されていると理解しています。一方わが国では、なぜこれほど年齢制限が当たり前のように行われているのか、理解に苦しみます。
法制化してもどの程度実効が上がるのか、楽観視するのは禁物ですが、この法案が制定されれば、わが国の労働市場のみならず社会に対するプラスのインパクトは計り知れないものがあると思います。是非先生の後押しを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
投稿: 多田 純 | 2007年1月21日 (日) 12時36分