« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006年11月23日 (木)

「今後の労働契約法制について検討すべき具体的論点(1) (素案)」について

11月21日 労政審労働条件分科会
「今後の労働契約法制について検討すべき具体的論点(1) (素案)」

 11月21日の労働条件分科会は傍聴できなかったため,どのような説明と議論がなされたのかは知りません。ところで,なぜ具体的論点の「(1)」なのでしょうか。(1)の後に,続きの(2)が出されるのでしょうかね。

 先ず,労使委員会が消えたのは確定的のようです。
 次ぎに,過半数労働組合の合意による,就業規則の変更による労働条件の不利益変更の「合理性推定」あるいは「合意の推定」も消えました。現状の多数派労組が,労働者の利益を公正に代表しているとは到底思えませんから,賛成です。

 労働組合は,労働組合らしく団体交渉と争議行為により労働条件の決定に関与すべきでしょう。それもまもとにできない現状の多数派(過半数)労働組合が就業規則変更に「白旗」をあげただけで,非組合員の労働条件まで左右するなんて,理屈が通りません。
 この「素案」を読んで見て気がついた点を次ぎにコメントしてます。

続きを読む "「今後の労働契約法制について検討すべき具体的論点(1) (素案)」について"

| | コメント (0) | トラックバック (1)
|

2006年11月21日 (火)

労働契約法制「素案」

■労働契約法の素案-労政審労働条件分科会

11月21日の労働政策審議会労働条件分科会にて,「今後の労働契約法制について検討すべき具体的論点(1)」(素案)が提出されました。
    ↓
「roudoukeiyakusoan06y21.pdf」をダウンロード

就業規則法理と整理解雇法理が特徴点です。判例の確認という趣旨でしょう。

また,日経が大々的に報じた解雇金銭制度については,「労働審判制度の調停,個別労働関係紛争制度のあっせん等の紛争解決手段の状況を踏まえつつ,解雇の金銭解決の仕組みに関し,さらに労使が納得できる解決方法を設ける」と玉虫色(?)の表現になっています。

■着地点が見えてきたの? 
欲を言えばきりがないですが,とにかく,「検討の対象」とすることができる「素案」が出たという評価でしょうか。

もっとも,まだ「論点」ですので,今後の成り行きについては,使用者側の反応が気になるところです。今朝は時間がないので,コメントは以上です。

問題は労働時間法制との関係でしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (1)
|

2006年11月13日 (月)

労働時間法制 「素案」 

11月10日の労政審 労働条件分科会に提出された素案の全体をアップしておきます。
下記からダウンロードできます。

「今後の労働時間法制について検討すべき具体的論点」(素案)
 ↓

「roudouzikan06y10.pdf」をダウンロード

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2006年11月11日 (土)

11月10日労働条件分科会 労働時間法制の「素案」

■「今後の労働時間法制について検討すべき具体的論点(素案)」が提案されました。

その「素案」が入手できました。素案の中で注目度が高い「自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設」と「企画業務型裁量労働制の見直し」部分は次のとおりです。

■素案の内容
○自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設
 一定の要件を満たすホワイトカラー労働者について,個々の働き方に応じた休日の確保及び健康・福祉確保措置の実施を確実に担保しつつ労働時間に関する一律的な規定の適用を除外することを認めることとしてはどうか。

(1) 制度の要件
① 対象労働者の要件として,次のいずれにも該当する者であることとしてはどうか。
ⅰ 労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事する者であること
ⅱ 業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者であること
ⅲ 業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者であること
ⅳ 年収が相当程度高い者であること

(2) 労使委員会の決議事項
 ① 労使委員会は,次の事項について決議しなければならないこととしてはどうか。
 ⅰ 対象労働者の範囲
 ⅱ 賃金の決定,計算及び支払方法
 ⅲ 週休2日相当以上の休日の確保及びあらかじめ休日を特定すること
 ⅳ 対象労働者の同意を得ること及び不同意に対する不利益取り扱いをしないこと
 ⅴ 苦情処理措置の実施
 ⅵ 対象労働者の同意を得ること及び不同意に対する不利益取扱いをしないこと
 ⅶ その他(決議の有効期間,記録の保存等)
 ② 健康・福祉確保措置として,「週当たり40時間を超える在社時間等がおおむね月80 時間程度を超えた対象労働者から申出があった場合には,医師による面接指導を行うこと」を必ず決議し,実施することとしてはどうか。

(3) 制度の履行確保
 ① 対象労働者に対して,4週4日以上かつ一年間を通じて週休2日分の日数(104日) 以上の休日を確実に確保できるような法的措置を講ずることとしてはどうか。
 ② 対象労働者の適正な労働条件の確保を図るため,厚生労働大臣が指針を定めることとしてはどうか。
 ③ ②の指針において,使用者は対象労働者と業務内容や業務の進め方等について話し合うこととしてはどうか。
 ④ 行政官庁は,制度の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは,使用者に対して改善命令を出すことができることとし,改善命令に従わなかった場合には罰則を付すこととしてはどうか。

(4) その他
 対象労働者には,年次有給休暇に関する規定(労働基準法第39条)は適用することとしてはどうか。

○企画業務型裁量労働制の見直し
 ① 中小企業については,労使委員会が決議した場合には,現行において制度の対象業務とされている「事業の運営に関する事項についての企画,立案,調査及び分析の業務」に主として従事する労働者について,当該業務以外も含めた全体についてみなし時間を定めることにより,企画業務型裁量労働制を適用することができることとしてはどうか。
 ② 事業場における記録保存により実効的な監督指導の実施が確保されていることを前提として,労働時間の状況及び健康・福祉確保措置の実施状況に係る定期報告を廃止することとしてはどうか。
 ③ 苦情処理措置について,健康確保や業務量等についての苦情があった場合には,労使委員会で制度全体の必要な見直しを検討することとしてはどうか。

続きを読む "11月10日労働条件分科会 労働時間法制の「素案」"

| | コメント (0) | トラックバック (4)
|

2006年11月 7日 (火)

読書日記 「働きすぎの時代」 森岡孝二著,「搾取される若者たち-バイク便ライダーは見た」阿部真大著

読書日記 「働きすぎの時代」 森岡孝二著
           岩波新書 2005年8月発行
           2006年11月1日読了
      「搾取される若者たち-バイク便ライダーは見た」
          阿部真大著
           集英社新書 2006年10月発行
           2006年10月25日読了

■「働きすぎの時代」
だいぶ以前に購入していた新書ですが,川人博弁護士の過労自殺などの類書を読んでいたので,積ん読になっていました。日本版エグゼンプション(WE)導入の労政審労働条件分科会での審議が大詰めを迎えつつある,この時期に読んでみました。
「280日間,休みのない連続労働」等々ひどい例もたくさん紹介されています。面白かったのは,新自由主義の「枢軸国」である米・英・日で,労働時間が増加し,「働きすぎ」が進行していると指摘して,その原因を4つに整理しているところです。

著者は,①グローバル資本主義(世界的な競争激化による労働時間の延長),②情報資本主義(パソコンとインターネット技術による「どこでもオフィス」状態),③消費資本主義(経済サービス活動の24時間化),④フリーター資本主義(非正規労働者の増加と労働時間の二極化)をあげます。

■「どこでもオフィス」の誘惑と陥穽
特に,「情報資本主義」が労働時間の長時間化,働きすぎを助長しているという点はそのとおりだと思います。「家庭も出先も職場になった」とその特徴を言い表します。いつでも,どこでも,誰でもインターネットに接続できる「ユビキタス・ネットワーク」は,Eメールの洪水をもたらし,労働者は24時間仕事から解放されなくなります。まさに「どこでもオフィス」です(便利になったが,蟻地獄のようなもの)。

一部のホワイトカラーはそれが当たり前になったりしています。ひょっとしたら,「どこでもオフィス」で働く自分が「格好いい」と思ったりしているかもしれません。これが「テクノ依存症」ですね。こんな心理が,長時間・過密労働に過剰適応し,仕事にのめり込んで,ある人はうつ病に罹患したり,ある人は過労死したりするのでしょうね。

■「搾取される若者たち」
   →ワーカーホリックになる若者の心理とカラクリ

「搾取される若者たち-バイク便ライダーは見た」(阿部真大著 集英社新書)では,バイク大好きーの若者たちが,バイク便という仕事にのめり込み,「ワーカー・ホリック」状態になっていく様が描かれています。強制されるのではなく,自らライダーズ・ハイのような状態で身体をこわすまで働き続ける心理によりそって記述されています。
個人請負のバイク便ライダーの労働組合が紹介されたり,「連帯して戦おう」と呼びかけているのには若者らしくて良いですね。応援したいと思います。

続きを読む "読書日記 「働きすぎの時代」 森岡孝二著,「搾取される若者たち-バイク便ライダーは見た」阿部真大著"

| | コメント (0) | トラックバック (1)
|

2006年11月 1日 (水)

個別労使紛争解決研修(応用研修)-労働審判

■JIRRA研修
10月26日,日本労使関係研究会(JIRRA)の個別労使紛争解決研修(応用研修)の講師を担当しましたhttp://www.jirra.org/info/funso0607/index.html。この研修では,労働審判員経験者が参加して,模擬労働審判用の記録を使ってグループ研修を行いました。

用いた素材は,2006年1月に日弁連が実施した模擬労働審判ですhttp://www.nichibenren.or.jp/ja/event/attorneys/060113.html

■解雇の労働審判(模擬労働審判)のグループ討議
事案は解雇事件です。衣料品販売会社の支店店長が,売り上げ不振,顧客とのトラブルなどを理由に普通解雇されたという事例です。

参加者は,申立人グループ,労働審判委員会グループ,相手方グループに6~7人づつ別れて議論をしながら進める方式です。

労働審判委員会グループは,争点の整理,釈明事項,当事者や関係者への尋問を検討します。申立人,相手方グループもどう対応するかを検討して準備をします。

そして,講師である私が,申立人役,申立人代理人役,相手方代理人役,人事部長役,営業課長役をこなして,質問に答えることになりました。さてさて,初めての方法でどうなることやら,と心配でした。

■グループ研修の進め方
参加者は,各グループで争点整理や証拠を検討して,講師に質問(審尋)することになります。それぞれのグループ同士でやるのも一つの手なのですが,準備する時間がなく,まとまりがつかないため,講師が本人役,証人役をやりました。

■調停の試み
審尋をした後,調停の試みについては,実際に各グループにやってもらいました。これが,なかなか面白かったです。各グループには,労働側に推薦された審判員と使用者側に推薦された審判員がそれぞれ半数くらいづつ入っています。なかには労働組合役員の顔見知りや,なんと,私が労働委員会で反対尋問をした大手企業の元人事部長の方さえいます(びっくり!)

申立人グループに入った使用者側の審判員が結構,強気の発言をしたり,面白かったです。また,各グループが策定した調停案の金銭解決案が,私から見ても結構,高額だったのには驚きました。民間の感覚は,裁判所の相場よりも高い感じですね。

■労働審判の結論は如何に?
最後に,調停が不調になったとして,各グループが労働審判委員会になったつもりで,労働審判をしてもらいました。その結果は,・・・・

続きを読む "個別労使紛争解決研修(応用研修)-労働審判"

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »