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2006年10月29日 (日)

国会情勢 教育基本法に何を求めるの?

■共謀罪の行方
10月24日の朝日新聞の報道http://www.asahi.com/politics/update/1024/012.htmlによると,教育基本法改正を優先させるために,共謀罪は今国会成立を断念するとのことです。

共謀罪の強行採決についての海渡弁護士の緊急警戒はレベルダウンになったようです。どちらにしても,教育基本法改正が正念場に迎えたということですね。臨時国会の会期は12月15日までです。

■教育基本法改正で何をしたいの?
今,「若者の雇用の改善」,「若者の意欲や学力をのばす」ことが最大の教育の課題でしょう。この課題に取り組むために,教育基本法を改正する必要はまったくありません。また,教師を悪者にしてバッシングすれば良いわけでもないでしょうに。

あるいは,今後は「格差社会」が深刻化し,若者のモラール低下や犯罪率が高まることを見越して,権威主義的教育体制を強めることを政府は目論んでいるのでしょうかね。

とすると,「教育再生」とか言っても,何だかデスパレート・・・

本当に「教育再生」というなら,教育バウチャー制度導入よりも,相対的貧困層が十分な「教育」と「職業訓練」を受けられる「明日の希望」となる教育制度をどうつくるかが,政府の課題ですよね。

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2006年10月28日 (土)

読書日記 「悪魔のサイクル」 内橋克人著 文藝春秋

読書日記 「悪魔のサイクル-ネオリベラリズム循環」
                  
  内橋克人著 文藝春秋

  2006年10月23日読了

1995年に出版された著書の「規制緩和の悪夢」の続編です。
この15年,10年で日本社会がどう変わったか。
格差の「現実」は,プロローグで簡潔にまとめられています。

○OECDレポートでは,日本の貧困率が15.3%。先進国ではアメリカに次いで2位。
【なお,貧困率の定義は,国民の可処分所得の中央値から半分以下の所得層を貧困層として定義。日本の場合には厚労省の「国民生活基礎調査」によれば一世帯当たりの年間所得の中央値は476万円。その半分以下の238万円で生活する世帯が15.3%となる。】

○正規雇用が10年で460万人減少し,非正規雇用は600万人増加。
○生活保護世帯が1992年で58万世帯。2005年に104万世帯に増加。
○自殺者は1992年に2万2104人。2005年には3万2552人に増加。
○刑法犯は1992年に235万件。2005年には342万件に増加。

フリードマンを嚆矢とするネオリベラリズムが世界を席巻する有り様が南米のチリとアルゼンチンの歴史を通して描かれます。フリードマンの弟子達と,チリのピノチェト独裁政権の新自由主義経済政策との繋がりには驚きました。

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2006年10月21日 (土)

読書日記「階級社会」 橋本健二著

読書日記「階級社会」 橋本健二 著
     講談社
     2006年9月30日 読了

■「階級」
同じ著者の「階級社会 日本」(青木書店2001年)を2001年頃に読んでから,著者に注目していました。(著書のWEB http://www.asahi-net.or.jp/~fq3k-hsmt/ の読書日記や居酒屋の蘊蓄も楽しんでいました)。「格差社会」論の風にのって,一般読者向けに,敢えて「階級社会」と題した本を講談社から出しました。

英語では,「階級」も「階層」も Class だそうです。日本では,「階級」は政治的用語です。特定の政治党派しか使わない言葉になってしまっています。労働者という用語さえ,日常会話では,そんな雰囲気ですな。

■脱マルクス主義
著者は「階級」という用語が,マルクス主義から離脱しつつあると言います。また,著者は,労働者階級が搾取からの解放という世界史的使命をもっているなどという「理論」をマルクス主義から放逐して,マルクシズムでなく,分析的マルクシズム(マルクシアン)となるべきだと主張していました(「階級社会 日本」)。

だったら,「階層」でいいじゃないかと思いますけどね。でも,著者は「階級」という言葉にこだわるのです。

なぜでしょうか。その理由は・・・・

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共謀罪 10月24日法務委員会 強行採決の危険性

海渡弁護士の緊急の警戒警報です。

転載させていただきます。「情報流通促進計画 by辞め記者弁護士」
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f287e32214031a617e734e266e24173b

共謀罪の行方に関心を寄せるすべての方へ
                    海渡 雄一(弁護士)

 本日18日、日弁連主催の共謀罪反対集会が開催されました。私はパネルディスカッションのコーディネーターをつとめたのですが、次のような情報を総合すると、共謀罪は10月24日法務委員会の法案審議冒頭に強行採決される可能性が高いと結論づけるに至りました。
みなさん、直ちに、強行採決を許さないという声をあらゆるところから上げて下さい。まだ、時間は残されています。

根拠1
民主党の平岡議員(法務委員会理事)が、今国会では自民党が法務委員会でどの法案を審議するか、順番を決めようとしない。順当に行けば、信託法から審議にはいるというのが普通だが、そのような話が一切ない。平岡議員は、与党は、共謀罪から審議すると通告するのは間違いないだろうと言われている。

根拠2
与党理事が平岡議員の来週月曜の行動予定をしつこく聞いていたと言うことである。
これは、月曜日23日に法務委員会理事会を開催して、24日の開催日程から強行してくるためである可能性があることを示している。

根拠3
採決予定を明らかにしないのは、22日の補選までは、強行採決の意図を隠し、市民の反発を避けて、補選での与党勝利の障害要因をなくしたいためだというのが、平岡議員の分析だ。

根拠4
政府与党がこれまで、強行採決に失敗してきたのは、事前のノーティスがあり、市民側がこれに反対する準備をすることができたためである。この経過に学んで、政府与党は事前の計画を徹底して隠し、逆に今国会の成立は困難という情報を流して、市民の油断を誘い、一気に準備不足のところを襲おうとしているのではないか。

根拠5
法務省と外務省のホームページでのこの間のなりふり構わない日弁連攻撃は、日弁連の疑問にはホームページで既に応えたとして、国会審議を省略して強行採決を正当化する口実づくりとも考えられる。日弁連は既にこのホームページにも反撃しているが、http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity.html 政府側は、論理的な説明は不可能であろうから、問答無用の正面突破を図る可能性がある。

根拠6
政治力学的にも、もし、補選で与党が勝利した場合には、この瞬間をおいて、共謀罪の一気成立をはかるタイミングは考えられない。このときを外せば、次の参院選が焦点化し、また、条約起草過程の解明や世界各国の条約実施状況の問題など、与党側は追いつめられていく一方だ。

確かに、このシナリオには、弱点もある。このような乱暴なことをすれば、野党の反発を招き、国会が中断されてしまい、他の重要法案の審議に差し支える可能性があるという点である。
また、補選で与党が一敗でも喫するようなことがあれば、状況は変わるだろう。

しかし、今日の集会で、ジャーナリストの大谷さんが、今週末には予備選だけでな
く、核実験もありうることを指摘し、二度目の核実験を背景に、安部政権による国内には北朝鮮の工作員が3万人もいるのだから、共謀罪は当然必要だ、不要だなんて言う奴は非国民だというムードが作られ、一気に共謀罪を成立させようとしてくる可能性があるという予言をされていた。
大谷さんは10月15日に予定されていたサンデープロジェクトの共謀罪特集が北朝鮮特集に飛ばされ、放映が11月に延期されたという事実も報告された。北朝鮮情勢は、補選にも共謀罪の行方にも大きな影を投げかけている。

とにかく、来週火曜日は最大の警戒警報で迎えなければならない。後で泣いても手遅れなのだから。

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会社分割・労働契約承継法と「在籍出向」その2

企業再編と労働者の雇用関係について,会社分割法制ができても,日本企業は在籍出向が多いということに驚いたことはブログで書きました。hamachanのブログで取り上げてもらっており,EUの状況についても教えていただきましたので,事件について少し補足しておきます。

■部分的包括承継
分割・労働契約承継法は,承継営業に主として従事しいている労働者については,同意がなくとも新設会社(吸収会社)に自動的に承継されることを前提としています。国会審議の場でも,「部分的包括承継」だとして,「民法625条1項の適用(労働者の承諾)が除外される」と説明されていました。労働者が不同意であっても,自動的(強制的)に新設会社等に承継されるとするのが「通説」でしょう。

■会社分割では労働者は承継を拒めないのか?
日本IBM事件では,日本の会社分割・労働契約承継法は労働者の承諾権(拒否権)を認めない趣旨か否かが争点になっています(争点1)。

会社は,労働者の承諾は不要とした趣旨だと主張し,労働者の「職業選択の自由」との関係については,「辞職ができるのであるから,職業選択の自由(使用者選択の自由)を奪うものではない」(!)と主張しています。

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2006年10月20日 (金)

トンネルじん肺根絶訴訟の仙台地裁判決後の行動

■国の控訴
10月20日,国は仙台地裁判決に対して控訴。
国は既に,東京地裁,熊本地裁を控訴していますから控訴は想定内。
厚労省は相変わらず,原告団の協議の申し入れを拒否。
(原爆認定訴訟もC型肝炎訴訟もすべて係争中を理由に面会さえ拒否しています)。

10月20日には日比谷野音での集会は1250人参加で大成功。Nec_0007 原爆訴訟,C型肝炎訴訟,水俣訴訟の原告の皆さんからも連帯の挨拶をもらいました。

お昼休みには大規模な国会請願デモを行いました。原告の皆さんにとってはハードなスケジュールでした。

■国会議員416名の賛同署名
10月12日の仙台地裁の勝訴判決を受けて,原告団と家族会,弁護団は,国会議員への要請を繰り返しました。

国会議員に賛同を求めたのは,①トンネルでの粉じん測定の義務化,②粉じん作業時間の短縮,③ゼネコン拠出のトンネルじん肺補償基金とADRの創設の3点です。

国の謝罪と粉じん濃度測定と評価の義務づけ,作業時間の規制など抜本的規制の見直しが確立すれば,原告らは損害賠償請求権を放棄することも公式に議員宛に表明しています。

賛同議員には,野党だけでなく,与党,自民党,公明党の議員も含まれます。自民党は,森元首相も,坂口元厚労相も賛同署名をしてくれています。署名議員のうち,安倍内閣の閣僚になった方が7名もいます(尾見財務大臣,冬芝国公大臣,塩崎官房長官ら)。

■粉じん測定義務化検討の報道

ところで,国が控訴した日に厚労省が粉じん測定義務化を検討しているとの報道がありました。

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2006年10月18日 (水)

労働審判法の施行状況

■労働審判の現状
労働審判法が今年4月から施行されました。その施行状況について概要の情報が入りました。中間的な速報(聞き取りも含み訂正もありうる)を次ぎにアップしておきます。

特徴は,第1に,調停が成立する率が顕著に高いこと。第2に平均処理日数が62日と迅速であること,第3に,仮処分が激減していること。第4に,期待された掘り起こし効果はまだまだということです。

1年経過後の総合的な分析が必要ですが,労働側弁護士がもっと労働審判申立に力を入れるべきだと思います。

■全国的な労働審判新受件数(8月末日)
 全国合計 466件
 
  ①東京地裁 130件
  ②大阪地裁 47件
  ③横浜地裁 40件
  ④名古屋地裁26件
  ⑤神戸地裁 18件
  ⑤札幌地裁 18件

■東京地裁の最新データ(9月末現在)
 ○新受件数   156件
 ○事件種別件数
    地位確認   71件
    賃金      31件
    退職金     17件
    損害賠償    14件
    解雇予告手当  5件
    残業代      5件
  ○使用者申立    3件
  ○本人申立     20件
  ○処理別件数
    調停成立    74件
    審判       18件
    24条終了     2件
   
■調停成立率(既済件数)
 全国  69% 地位確認につき 80.2%
 東京  74% 地位確認につき 80%
 労働訴訟事件の和解率が50%を切っていることの比較からは調停成立率は極めて高い。
■審判に対する異議申立
 全国 審判=33件→異議申立=14件(8月末)
 東京 審判=18件→異議申立=13件(9月末)
■審理期間
 東京地裁 平均62.5日
■他の手続との比較-仮処分の半減
 東京地裁では,労働審判が156件であるかわりに,仮処分事件は半減しているとのことである。
 全国的に見ると各年4月から7月の手続別新受件数は次のとおり。

  年(4~7月)   合 計   仮処分   訴 訟    労働審判
 平成16年  1026件 235件 791件    -
 平成17年   1003件 232件 771件    -
 平成18年  1172件 144件 669件 359件

■労働審判がメインストリート化する可能性
労働審判の急増と,仮処分だけでなく本訴からも,事件が流れている傾向が伺われます。将来的には個別労働紛争については,労働審判がメインストリートになるのではないかと思わせます。各地の労働局の紛争調整手続がどうなっているかも見てみたいですね。

■事務所及び私の担当事件
ちなみに,私は労働審判を2件申し立てました。私が所属している事務所では現時点で17件申し立てているとの話しです。まだ,事件傾向は分析できていません。)

私が担当した事件は,①残業代請求事件(労働者性の有無が争点)と,②退職金請求事件(グループ企業間で労働者が転籍した場合に退職金の計算日数として転籍前の在職期間が引き継がれるかどうかが争点)の2件です。両事件とも調停で終わりましたが,労働者側の要求がほぼ9割方実現しました(退職金事件は100%回収,残業代事件は証拠のある期間で100%,証拠ない部分で5割回収)。本訴だったら,延々1年間主張と証拠調べして和解してもっと低額の和解になる危険性があります。労働審判員会の熱いうちに打てという流れで良い解決になったと思います。

■積極的な申立を決意
あと1件,早く申立をしなければいけない事件を受任しています。
他方で,予想より,労働審判事件数は増えていません。私としては,要領が見えてきましたので,もっと積極的に労働審判を申し立てようと思っています。

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2006年10月14日 (土)

会社分割・労働契約承継法と「在籍出向」

日本IBMハードディスク部門「会社分割」地位確認訴訟

■会社分割と労働契約承継
日本IBMは,2003年1月,不採算事業であるハードディスク事業を会社分割により日立の子会社(日立GST)に譲渡しました。800人のIBMの労働者は,その会社に問答無用で転籍です。

ご承知のとおり,商法の一部改正による【会社分割制度】が導入されて,「部分的包括承継だ」と称して労働者の同意なくても転籍できると言われています。つまり,会社分割の場合には民法625条1項の労働者の同意が不要になるということです。

「でも,おかしいじゃないか。俺はIBMに就職してんだ。なんで日立なんかにいかなきゃいけないんだ。」ということで,JMIUの日本IBM支部の労組員は,一方的な同意なき転籍(労働契約の承継)は無効だとして日本IBMに対して地位確認の本訴を提起しました(原告約20名。横浜地裁で審理中。なお,週間金曜日10月13日号で私が少し記事(「リストラのデパート 日本IBM」)を書いていますhttp://www.fujisan.co.jp/Product/5723)。

10月12日,労組の比嘉前委員長の証人尋問でした。私が本来は尋問担当だったのですが,トンネルじん肺の仙台地裁判決と重なったため,他の弁護士にピッチヒッターに立ってたってもらいました。でも,この尋問準備中に,いろいろ調査をして驚いたことがあります。

なんと,労働者は転籍でなく在籍出向扱いが多いのです。経産省と厚労省は,ちゃんと追跡調査して発表してほしいですね
(商法は経産省がイニシアを握り,労働契約承継法は労働省のイニシアなんでしょうかね?)。

■同意なき労働契約承継でなく,在籍出向扱い!
多くの日本企業では会社分割をしても新設会社等に労働者は出向しているのです。つまり,会社分割であっても,分割された先の会社に行く労働者は,その新設会社(吸収会社)に転籍するのではなく,分割会社からの在籍出向です(つまり,譲渡先の会社がつぶれても「戻ることができる」ので安心)。

例えば,日立製作所とカシオ計算機が会社分割による携帯電話端末事業の会社設立に関して,労働者は労働契約承継させず,出向させているのです。調べると多数の会社がそのような扱いをしています。楽天とオリエントコーポレーション(あの規制改革会議の宮内氏の会社だよ!)の会社分割でさえ,在籍出向です。   

経産省の報告書でさえ,労働者のモラルを維持するためには,無理矢理労働契約承継させること問題があると指摘してます。

■実態はヨーロッパと一緒で労働者の意思を尊重しているじゃないか
この事件では,EUの事業譲渡指令(「企業,事業又は企業,事業の一部の移転の際の労働者の権利保護に感する加盟国法の接近に関する77/187/EEC指令」)とEC司法裁判所のKatsikasu事件の1992年12月16日判決も引用して,「労働者の使用者選択の自由」(ドイツ連邦労働裁判所は基本権として認めた)に基づき,「労働者の拒否権」があると主張しています。もし否定するのであれば「会社分割の商法及び労働契約承継法は日本国憲法22条の職業選択自由に反するのだ」と大上段の主張をしています。ドイツ民法と上記EEC既得権指令と,日本民法と会社分割・労働契約承継法はよく似た構造になっていると思います(濱口桂一郎先生の御本「増補版・EU労働法の形成」も準備書面で引用させてもらいました。ちゃんと理解できているかどうかは心許ないですが…)。

小樽商科大学の本久洋一先生に緻密な意見書も書いてもらい,横浜地裁で証人にたってもらいました。本久先生は,解釈上,承継拒否権が認められるべきであるとされています。

この裁判は,「労働者は商品や生産設備ではない。労働者の意思を無視した転籍は許されない。」という素朴な労働者の思いから提訴した裁判です。弁護士は「会社分割の商法改正や労働契約承継ができたから,裁判官は国会が作った,この法律に忠実だろうなあ。」と思っていました。

ところが,実態を見ると,「なんだよ。みんな在籍出向させているじゃないか」です。

きっと,企業は「労働者の士気を高め,会社分割した企業が発展するためには在籍出向とすることが良い」判断したのでしょう。労働者の意思を無視すれば企業にとってもマイナスだという判断があったのではないでしょうか。

日本IBMのHDD事業会社分割事件は,12月に証人調べは終了して,来年1月に結審,来春に判決が言い渡されることになるでしょう。

EC司法裁判所やドイツ連邦労働裁判所のような判断を横浜地方裁判所7民はするでしょうかね?

■会社分割で在籍出向している会社一覧
    ↓

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2006年10月13日 (金)

トンネルじん肺 仙台地裁で3勝目!

■トンネルじん肺根絶訴訟、 仙台地裁は10月12日、三たび、国の責任断罪。

仙台地裁は、国の規制権限監督の不行使は国賠法上の違法と判示しました。規制すべき内容は、昭和61年11月以降、粉じん測定の義務付けと評価の義務付け、湿式さく岩機と防じんマスクの重畳的義務づけを省令で義務付けることが必要としました。

判決要旨
  ↓
「sendaitisaihanketu06x12.pdf」をダウンロード

東京地裁、熊本地裁、仙台地裁の3連勝です。3地裁の判決の対比は次のとおりです。

「3.jtd」をダウンロード

原告団と弁護団は、厚労省で記者会見し、国(厚労省)が原告らに陳謝し、トンネル工事での粉じん測定の義務付けと評価の義務付けをするなどの抜本的対策をたてれば、国への訴えの取り下げ、請求権放棄をする用意があることを表明しました。

■現職国会議員過半数390名の賛同署名
原告団は真剣な討議を経て、じん肺根絶のために大きく踏み出しました。国会議員は与野党含めて過半数の国会議員(390議員)が原告に賛同署名を寄せてくれています。自民党議員も37%も賛同署名してもらっています。安倍内閣の閣僚のうち7名の大臣も署名しています。

後は、厚労省が抵抗しているだけです。早期の解決に向けて、今日から国会議員や内閣への要請行動に取り組んでいます。

原告団・弁護団声明
   ↓

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2006年10月 6日 (金)

偽装出向? 違法出向事業?

■「偽装出向」?
今朝の朝日で,日野自動車の「偽装出向が労働局に摘発されたという記事を読みました。
ハテ? 「偽装出向」って何?
出向して,出向先の指揮監督命令を受けるのは当たり前じゃないか?
って思っていました。

■hamachanのEU労働法政策雑記帳で教わる

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/

これを見て,疑問点が氷塊しました。
そうか,確かに,出向は「労働者供給」(供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させること)にあたる。それを業としてやる場合には,職安法44条違反となるわけですね。

■違法出向事業?
とすると見出しとしては,「偽装出向」ではなくて,「違法出向事業」のほうが良いのでしょうか。でも,「偽装出向」の方が怪しげで,新聞の見出しとしては,こっちなんでしょうね。

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2006年10月 1日 (日)

トンネルじん肺 国会議員要請 仙台地裁判決に向けて

■10月12日トンネルじん肺 仙台地裁判決 
トンネルじん肺訴訟は,今年7月,東京地裁,熊本地裁で国に勝訴しました。
10月12日に,3度目の判決が仙台地裁にて言い渡されます(東北ブロック訴訟)。

■国会議員賛同署名 過半数突破
3度目の勝訴判決によって,国(厚労省)に解決を迫ろうと,原告団・家族会は衆参国会議員への要請を粘り強く行ってきました。

現在は現職衆参国会議員の361の賛同署名を集めています。なんと安倍新内閣の閣僚で賛同署名をしている大臣が7名もいます。

■自民党本部内の議員勉強会での訴え
9月26日,自民党北村衆議院議員の紹介で自民党本部で「新政治研究会」の国会議員の皆さんの前でトンネルじん肺の解決への協力を訴えることができました。

北村しげお衆議院議員(石川3区)のホームページで紹介されています。
http://kitamura-shigeo.com/schedule/schedule.php?mode=dm&ymd=20060926

自民党本部に初めて入り,自民党国会議員30名の前で訴えるのは,法廷とは勝手が違い,少し緊張しました。

しかし,自民党議員の皆さんの反応が良くてほっとしました。
議員の皆さんは即座に,「国交省の土木工事共通仕様書や積算基準にじん肺対策がとられているか?」「皆さんが求めている粉じん測定の義務づけは省令改正でできるのか?」「じん肺補償基金の設立について厚労省が抵抗しているのか?アスベストの問題と関連しているのか?」などなど。さすが政府与党の議員さんたちだと感心しました。

原告団や家族会の皆さんが,地元で東京で,何度も何度も議員事務所を訪ねた努力の成果だと思います。

■全面解決に向けて
仙台地裁の勝訴,全面解決への手応えを感じました。
10月12日 午後1:30 仙台地裁の判決に注目です。

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