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2006年5月11日 (木)

読書日記 「『ニート』って言うな!」本田由紀・内藤朝雄・後藤和智 著 

「『ニート』って言うな!」本田由紀・内藤朝雄・後藤和智 著
    光文社新書 2006年1月初版
            2006年3月読了

「フリーターとニート」は「現代若者」論の流行言葉です。「ニート」が一般のTV・新聞マスコミで語られるイメージは次のようなもの。

 「ニートは学びもせず、働こうともしない若者たち。このニートが増えている。」
 「ニートが増えている原因は、働かずに楽して暮らしていこうとする若者の甘え。」
 「フリーターより質が悪い。」
 「ニートは社会的な引きこもりと紙一重の若者」

このような「ニート亡国論」に対する批判の書です。若者バッシングに対する抗議の書と言っても良いと思います。

著者たちは、ニートが喧伝されるように増加している事実はないこと。ニートばかりを強調すると、本当の問題である若者の就労問題が隠されてしまうことを批判しています。そして、ニート論は、エスタブリッシュである大人の側が自らの「不安」を若者に対する憎悪(「若者悪者」論)によって心理的な安定を得ようとしていると批判しています。
確かに、何かひどいことが起こると、誰かを悪者(犯人)をすることで、安心したくなるのは世の人の常です。

本田由紀氏が著した第1部「現実-『ニート論』という奇妙な幻影」は、詳細なデータにより、「自発的なニート」と「非自発的なニート」を区別し、非自発的なニートは増加していないことを統計資料に基づいて明らかにしています。

そして、本当に取り組まなければいけない課題は、正社員という典型的雇用への就労が狭められている労働市場(企業の労務政策)の現実を踏まえた若者の就労問題の改善であることを強調しています。

その方向性は、新しい職業教育を基礎とした典型雇用と非典型雇用の格差を是正を目指すもののようです。
   ↓
http://d.hatena.ne.jp/yukihonda/

本田氏の「では昔のように、1高校1企業への就職。正社員がメインストリームとする社会に戻れば良いのか」(「戻れない、のが現実。」)という問題提起はそのとおりだと思います。学校と就職・職場 どういう新しい関係が望ましいのでしょうか?

若者労働論は、今後の大きな政治的イシューになると思います。
また、私たち親にとっては自分の子どもの将来の問題でもあります。

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