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2006年5月 3日 (水)

読書日記 「ウェブ進化論」梅田望夫著、 「グーグル Google」佐々木俊尚著

「ウェブ進化論」梅田望夫著
   (ちくま新書 2006年4月12日読了)
「グーグルGoogle -既存のビジネスを破壊する」佐々木俊尚著
   (文春新書 2006年4月25日読了)
         
 わからないことがあると、私は「何はともあれ、グーグルで検索する」という習慣が身についてしまいました。グーグルの検索は圧倒的に便利であり、その的確な情報へのヒットには舌を巻きます。このグーグルについて説明した話題作です。両著とも面白く読みました。インターネット検索という技術が、知的生活や経済を大きく変えるというのです。実際、グーグルを使ってみると、これは社会に大きなインパクトを与えるようになると思えます。丁度、テレビが社会に与えたほどの力を発揮するのではないかと思います。 

■世界政府がつくるシステム?

 梅田氏の「ウェブ進化論」の著者の論理展開には、私にはついていけないところがありました。しかし、「仮に世界政府があるなら、その政府が開発しなければならないステムを全部グーグルで開発しよう」という発想でグーグルが動いているというのはすごい。すべてをデータベース化して、すべてを検索するという力は、想像以上の威力(神の眼と耳?)を持っている。

■グーグル・アースの驚異!

例えば、グーグル・アースという地球儀のような衛星写真ソフトを入手すると、私の自宅の屋根まで見ることができるのだから・・・。しかも、無料です!… 驚異的です。確かに世界政府があれば作って無料で配布してくれる地図ソフトだと思います。普通の政府であれば軍事情報だとして秘密にしたり、普通の民間会社であれば高い料金をとるにちがいない。

■全世界を網羅する巨大な広告代理店

 佐々木氏の「グーグル」はジャーナリストらしく判りやすい好著です。無料の検索エンジン、地図ソフトをばらまくグーグルはどうやってお金を稼いでいるのか。それがもたらす効果と企業としての狙いを説明してくれます。革命的な「検索エンジン技術」、「キーワード広告」、「ロングテール」、「アドセンス」などなど。グーグルは全世界を網羅する巨大広告代理店のようなものになる。ブログを含めた全てをデータベース化して、すべてを検索可能とするネットワークの力は情報を操り、従来の大企業の大量生産とは異なるビジネスと経済を生み出しいくと言います。マイクロソフトも、グーグルの脅威に必死の防戦体制をとっているというのです。
 誰もがインターネットに接続して情報入手をしたり、ブログによる情報発信をし、買い物などに利用するようになったとき、テレビ放映が人類社会に与えたもの以上のインパクトを人々にもたらすような気がします。

■高度情報管理社会の悪夢の到来

 他方で、両著者とも、グーグルのもたらす危険性も指摘しています。もし、データベース化が公平に行われず、一部の人間の恣意によってゆがめられたらどうなるか。その危険性も両著は指摘して警鐘を鳴らしています。村八分ならぬ、「グーグル八分」がなされると、その人や意見はネットワーク上は存在しないことになってしまう。中国共産党がグーグルに共産党支配に都合の悪いウェブを検索しないように要求して、グーグルはこの一党独裁政党の要求をやすやすと受け入れてしまったのだそうです。
 巨大なデータベースと検索エンジンを活用して巨大な影響力をもつグーグルは所詮、一民間企業であり、政治的圧力には弱い。政治的介入により、検索エンジンがゆがめられるなら、まさにジョージ・オーウェルの1984の世界です。ビッグ・ブラザーが全ての情報と人間を管理する社会という悪夢の到来です。

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