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2006年3月16日 (木)

USEN ライブドアと業務提携

過去の読書日記

「会社はだれのものか」 岩井克人 著
      平凡社 
      2005年6月24日 初版第1刷
      2005年11月 読了

■USEN
USENのイケメン青年社長がライブドアの株を90億円で取得というニュースを見て、昨年の日活労組の「日活売却反対」を思い出しました。

■日活労組のUSEN買収反対のとりくみ
1993年、日活は会社更生開始となる。その後、ナムコの中村会長が大株主となる。2005年、中村会長はUSENに日活の株式を譲渡しようとした。しかし、USENは労組には評判の悪い会社だった。日活労組は反対運動を展開しました。http://nkrouso.s27.xrea.com/
そして、とうとうUSENへの売却を断念させたのです。http://www.narinari.com/Nd/2005094927.html

最終的には、都労委で和解しました。その勝利報告パーティーで、この「会社は誰のものか」をネタに挨拶しました。これ、予想外に、みんなからの評判が良かったのです。

■会社は誰のものか?

会社は誰のものか? 昨今は、『株主のものに決まっているじゃないか!』と言われています。でも、ちがうんですね。

法的には株主の所有するのは株式だけです。株式をいくら所有していても、それだけで会社の所有者ではありません。

個人営業主の八百屋が自分の店のリンゴを食べても窃盗じゃないですよね。でも、百貨店の株主がデパートの食品売り場のリンゴをタダで一個食べて『俺は株主だ』と言っても通用しません。ただのドロボウです。

つまり、法人である会社は、個人営業主とは違うのです。これは経済学者岩井克人教授が『会社はだれのものか』という本で力説しています。つまり、株主は会社資産の所有者ではないということです。岩井教授は、『会社は社会のもの』と結論づけています。

ということは、会社というものは、個人の所有物ではなく、社会的な存在ということです。社会的存在とは、株主も、経営者も、労働者も関与している。また、会社と取引する人々も関与する。その会社からサービスを受ける消費者も関与する。その関与の程度は様々でしょう。しかし、その全体が絡み合って、初めて現代の会社は社会の中で生きていくものです。

日活労組の闘争の勝利は、会社は株主だけのものではない、社会のものだということを経営者に思い知らせた貴重な成果だと思います。今後の日活の映画会社としての再起を期待しています。

■社会的存在って?
ちなみに、「社会的存在」というと、懐かしの「生産諸関係の総体」というマルクス用語を思い出します。「総体」にアンサンブルというルビがふってあったマルクス本もありました。アンサンブルというと「響き合い」ですかね。「響き合い」というと固定的なありようでなく流動的な関係概念です。社会的存在である「会社」にぴったりだと思います。

エンゲルスは、「株式会社は、『社会的生産と生産手段の私的所有という矛盾』を、資本制社会の枠内で解消しようとするものである」などと何かの本(「反デューリング論」だっけ?)で書いていたと思います。

でも、われながら古いなあ! 今どき、こんな左翼用語は誰も知らないし、知ってても使わないでしょうね。 スイマセン…

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