読書日記 「娘に語るお父さんの歴史」 重松清著
ウルトラマンと憲法9条
「娘に語るお父さんの歴史」 重松清 著
ちくまプリマー新書
2006年2月10日 初版第1刷
2006年3月14日読了
1963年(昭和38年)に生まれたオジサンの和昭(43歳・著者の重松清と同い年)が中三の娘に語るお父さんの歴史。1959年生まれの私より4歳年下です。戦争も知らず、大学紛争も知らず、苦労知らずのバブル世代のくせに(私と同じ)、なんとか自分の生きてきた「歴史」をセイコちゃん(娘)に語ろうとするセンチメンタル・オヤジです。
その中のエピソードで面白い話しがあります。
「専守防衛のヒーローたち」
「専守防衛なんだよ。怪獣や宇宙人や怪人から世界の平和を守るために戦うんだけど、自分から悪い奴らを見つけ出してやっつけようという発想はないんだ。やっぱり、これ、憲法九条の影響なのかなあ……
…
もしも、ウルトラマンが宇宙を旅して、出会う敵を次々に倒していく『開拓者』『冒険者』の物語だったとしたら、それを観ていた子どもたちにどんな影響を与えただろうか。
…
セイコ(娘)『ブッシュみたいな嫌なオヤジになっているんじゃない?』
…
ニッポンの戦後、間違っていなかったぞ、たぶん。
専守防衛の正義の味方で「あり」だったんだ、やっぱり。
おかげで喧嘩の苦手な弱っちいオヤジばかりになったんだけど……な。 」
ちょっと気恥ずかしい本だけど、同世代のオジサンに一読をすすめます。
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